犬鬼灯
□第3話 サービスの時間
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ハローハロー皆さん。
現在アタシは本校舎の理事長室でーす。
あ、ちなみに暗梨も一緒ですよー。
まあ何でこんなとこにいるかってーと理事長に呼ばれたからなんですけどね。
「率直に聞こう。君たちは、本校舎に戻る気はあるかね?」
「あはっ。面白いこと聞きますねー理事長。返事なんて分かりきってますよね。E組ほど面白いとこなんて、そうそうないですよ!もし本校舎に戻すってんならもう一回引き籠もりますよ?」
つまり、戻る気はまったくない。そういうことだねぇ。
「僕も、同じだね。」
「………そうか。」
理事長はそれだけ答え、何も言わない。
「話がそれだけなら戻りますね。」
そう言って踵を返す。
「…雫。」
「分かってる。」
理事長が、このまま終わるわけないよね。自分の教育方針に、怖いくらいの執念を持ってる理事長が、それに反するアタシ達をこのまま放っておくわけない。
アタシ達は“アイツ”みたいにわかりやすい問題起こすわけないし。
しばらく無言で歩き、理事長室から大分離れたところで口を開く。
「でも、多分、すぐには何もしないと思うし、気長に待とっか!」
そう言って、いつもの笑みを暗梨に向ける。そうしたら暗梨もわかりにくい笑顔を浮かべて答えてくれる。
「雫がそう言うなら、そうだろうね。」