少年陰陽師

□現の夢に歩み寄れ
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時は平成。



陰陽道の名門・安倍家に双子が生まれた。



それは、当主晴暁の末の孫。



占によると、その2人のどちらかが後継となる運命を背負っているらしい。



晴暁は1000年前の大陰陽師・安倍晴明の生まれ変わり。



ならば、その後継となるのは晴明の後継だった昌浩の生まれ変わりに違いない。



しかし、双子の能力はほぼ同じで、2人とも輝く可能性を秘めていた。



後継の誕生を待ちわびていた大勢の者たちは動揺した。



これでは、どちらが昌浩なのか分からない。



決めかねた当主は一族の者たちにこう伝えた。



『15歳になったときに見極めの儀を行う。

それまでは分け隔てなく育て、どちらが昌浩かというのは談じてはならない』



彼らはしっかりと頷いた。…はずだった。





狂いだした歯車は止まらない。



これは、数奇な運命とともに生まれ落ちた、ある双子の物語――。
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