非日常 ace長編

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ショパンのエチュード

曲も終盤にさしかかり激しさが音に伝わる

最後の1小節

『はぁ〜、全然ダメ

「俺はすげぇと思ったけどな」


寝ていたはずのエースの声が後ろから声聞こえてバッと振り返る

『なにもすごくない』

「ピアノ弾けるんだな」

『そりゃあ音大の学生だし』

「オンダイ?」

『音楽の学校、私はそこにいってるの』

「そうなのか、だからこんな立派なグランドピアノがあるのか!」

『親ががんばって買ってくれたの、ありがたいよね。』

「俺もオヤジ大好きなんだ!!すげえかっこいいんだぞ!!」


エースのお父さんか…どんな人なんだろ、お父さんも食べながら寝ちゃうのかな

『あははははは!!』


「なに笑ってんだ?」

エースが首を傾げる

『ううん、なんでもない!私はもうちょっと練習するけど、エースどうしたい?』

「なんかこっちの世界来たら疲れちまったみてーで、寝てぇ。」

『こっちの世界にとんできただけで疲れるのかぁ〜なるほどね〜…じゃあ私ソファーで寝るから、エースベッドで寝て!』


「いーよ、俺がソファーで寝る」

『エース疲れてるでしょ、ちゃんとベッドで寝て?』

「おめぇだって疲れてるだろ、俺は体力あるから大丈夫だ」

そう言うとエースはひらひらと手を振ってソファーに寝転がってしまった。

私はもう少し練習。


今日先生に言われた
「この曲をわかってあげなさい」

エチュードなんだからテクニックが大事だと私は思っていた
でも違うみたいわかるまで弾かないと

それから3時間私はずっとピアノを弾いていたようだ。

12時か…私も寝よう。


ソファーで寝ているエースに布団をかけて私も眠りについた


明日になったらエースはいなくなってるかな?
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