非日常 ace長編

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ん…朝…

あ、エース…

いるのかな

それとも、夢だったのかな


ソファーにはぐっすり眠っているエースの姿


よかった、まだいた。


私なに喜んでるんだろ
エースにとって帰れたほうが絶対いいのに

顔を洗って、歯を磨いて、メイクをした。

メイクといってもファンデーションだけなんだけどね

もっと大人っぽい顔になれたらな〜と鏡の中の自分を見つめる
ふと鏡にエースがうつる

「はよっ」

『起きたんだね、おはよっ』

今度はエースが顔を洗い、歯を磨いていた。

「なぁ、名前!今日はどうするんだ?」

『ごめんエース、私学校行かないと』
「じゃあ俺また家の中か〜?外出てえよ〜」

『う〜ん、そうだ!じゃあ私が帰ってきてから一緒に外行こ!』

「ほんとか!?じゃあ俺待ってるな!」

『うん!冷蔵庫の物少しなら好きに食べていいからね!』

「おう!」

『じゃ、行ってきます!テーブルの上、朝ご飯置いてあるから!』

「サンキュー!気ぃつけて行ってこいよー!」

『はーい!』

バタン


こんな会話をして私は家を出た




〜大学〜



あっ!いたいた!!

『むっちゃーん!おはよ!!』

むっちゃんは大学内のカフェで譜読みしながらお茶をしていた

むっちゃんは音大に入ってからできた私の親友

「おっ!名前!おはよ!どうしたの?そんなに急いで」

『あのね!お願いがあるの!!』

「なに?」

『ONE PIECEの漫画!貸してくださいっ!』

「そんなこと?別にいいけど…」

『ちょっと急いでるから今日の帰りにむっちゃんの家行って貸してもらえないかな?』

すごくあせる私の様子にむっちゃん少し驚いてた

「うんいいよ、てか名前もうちょっとでレッスンなんじゃない?」

『うわあ!ほほほほ本当だ!じゃ私行ってくる!』

「おーがんばれよーー」


そしてレッスンと授業を終えた私とむっちゃん、

むっちゃんの家に行く事になった

むっちゃんはかなりの漫画好きでいろいろな漫画を持っている

ONE PIECEがズラーッと綺麗に並べられていた

今回は一巻から十五巻まで借りた

七十二巻までの背表紙を眺めているとエースの姿

五十九巻

その本をすっと取り出して私は目を疑った

「ポートガス・D・エース死す」

むっちゃんがタイトルを言った

「その巻めっちゃ泣けるよ〜!」

『むっちゃん…』

「どした?」

『この人…死んじゃうの…?』

「えっ?ネタバレになっちゃうよ?」
『いいの…』

「いいの?死んじゃう…けど…ちょっと!名前!?」

『むっちゃ〜ん!!うえ〜ん』

「ちょっと〜!泣くの早いよ〜!漫画見てから泣かなきゃ、ネタバレで泣く子なんか初めてみたよ〜。よしよし」
むっちゃんは笑いながら私を抱きしめて頭をなでてくれた。

とてつもなく悲しくなった

それからやっと泣き止んだ私、

ONE PIECEを手に、むっちゃんの家を後にした
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