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□人類最強になるまで
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「…!?っきったねえな!!」






頭がパニックになる。







何故だ?何故俺はゴミ山の上にいるんだ。……!あぁ、投げられたのか…。






降りたい。降りたい。降りたい。





身体に力を入れようとするも、うまく入らず身体が傾くばかり。







ドサ、とある程度の重みがまたゴミ山へと沈む。







いたい。寒い。気持ち悪い。降りたい。…助けて欲しい。





たくさんの感情がぐちゃぐちゃに混ざり合い脳に刻まれる。





空を見上げれば、月は雲の流れに隠れ、また顔を出し、また、隠れ…




今日は、雲の流れが速いな。雨でもふるのか……



はあ、と息をつけば白くふわふわと消える。




さすがに冷えるな…

指先の感覚が無くなってきた。




……


眠い………







ここで意識を手放すのは自殺行為。

だが、ぐちゃぐちゃに乱れた脳が言う事を聞いてくれる訳もなく。











もう、限界だ












目を閉じる。



鼻には悪臭がダイレクトにきて、


耳には風の音と、足音。












……足音……?







かつ、かつ、とこちらに近づいてくる。







こんな時間に……




だれだ………………?









ぽた、と瞼に水滴がひと粒。

……雨か。







予想通りだ。なんて、普段の俺なら思うことだろう。




だが





そんな余裕は無い。












俺、死ぬんじゃないか







それが
頭をよぎる







そこから思考は停止して、何も考えられない。












助けて……………………









……







「…おや、雨だ」



「あ、本当だ。いやあ、雨具持ってきといて良かったよ!ほら」


「ありがとう」



「どういたしまして。……ん?…ねえ、あそこに誰かいない?」



「………!…あぁ……行ってみるか」
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