リボーン短編

□ティッシュ配り
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毎日毎日学校帰りに通る道
駅の改札のもっと前の道の広場
17時20分頃オレはいつもそこを通る
そして今日も彼女はいる



もう春だっていうのにまだ寒い
朝は急いでるのと太陽の光であまり寒さは感じないが
帰りは別に急いでるわけでもないし太陽が出てるわけでもない
だからめちゃくちゃ寒い
いくら服着込んでも寒いし
そもそもの話、いっぱい着込んで暑くなったら上着邪魔になるんだよなー

そんなことを考えてたら
いつもの広場に差し掛かった

こんなに寒いのにもかかわらず
毎日毎日ティッシュを配ってるお姉さんがいた
風邪を引いたのかマスクをつけていた
時々寒いのか腕をさすったり
足踏みをしたりしていた
それでもちゃんと配るものは配っていた

「……」

オレはバイトをしていない身だからあまりわからないけど
早くもらわれた方がいいんじゃないかなと思って
差し出されたらもらうようにしている
だから顔を覚えられたのか
毎回そこを通る度にオレに渡してくる
最近はなれてきたのか一言添えてくる

その人がいる近くに信号がある
今日はそこで赤になってしまい信号待ちしていたら
案の定お姉さんがこちらによってきた

『こんにちは!
ティッシュもらってくれますか?』

「こ、こんにちは
はい」

毎日ティッシュをもらっているためバッグの中はティッシュが散乱している

『いつもいつもありがとうございます!
あ、信号かわりましたね
気をつけて帰ってくださいね!』

「っ!?
ありがとうございます!」

今の笑顔と言葉は反則だよ…
それに、あんなに話したのも今日が初めてだった


















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