リボーン短編

□遊園地へ行こう
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あれから数ヵ月がたって少し涼しい風が吹くようになった季節になった
そう、今日は前々から予定していた
皆で遊園地に行く日
最近ルカさんは前よりももっと明るくなっていて
オレ達といろんな所に行って遊ぶ回数も増えていて前よりも仲がよくなった気がした

『うわー
凄く楽しみだな〜』

「ルカさん!
今日は沢山楽しみましょう!」

『うん!』

それからはいろんな乗り物に乗った
オレらは回りが見えてるから乗り物に乗っても不安にならないけど
ルカさんは不安になってないだろうか
とか、無理に楽しんでるんじゃないかって思うようになってきた
後ろの方で遅れて歩いていたらルカさんが歩きながらキョロキョロし始めた

『綱吉くんは?
いつもは近くに居てくれるのに声がしないんだけど……』

オレを探してたみたいだった
オレは急いでルカさんの所に行った

「オレ、後ろの方にいたんですよ
ごめんなさい」

ルカさんは安心したように笑った

『よかった……
何処かにいなくなっちゃったんだと思った』

きっとルカさんは目が見えない分他人が出してるオーラっていうのかな?
そういうのがわかるんだと思う
オレが黙って俯いてたら少し不安そうな声で話しかけてきた

『どうしたの?
何かあった?』

「その……
オレ達だけが楽しんでるんじゃないかって思っちゃって……
ルカさんはその場の状況が見えないし乗り物に乗っても不安になってないだろうかとか……」

やっぱりこういう所よりもっと違う所の方がよかったかもしれない……
きっと無理に楽しんでるんじゃないか……?

『綱吉くん……
ありがとう
心配…してくれてたんだよね?
最初来るときは凄く不安だったんだけど
皆が近くに居てくれるし
乗り物に乗ってもランボ君やイーピンちゃん、京子ちゃんやハルちゃんが私の手を握ってくれてたからホントに全然怖くないよ
ホントに心から楽しいって思ってる!
不安にさせちゃってごめんね……?』

「え!?
や、その、ルカさんは謝らないでください!
オレがかってに不安になってただけなんで!」

何か言いたそうに口を開いたけど何故か下を俯いてしまった

「ど、どうしました?」

『え、や、な、なんでもないっ!』

と走って皆の方に行こうとルカさんが走り出したら
アイスをもった怖そうなおじさんにあたってしまった

『きゃっ!』

その反動でしりもちをついたルカさん

オレは慌ててルカさんの所に走って行った

「す、すいません!」

謝りながらルカさんに傷が無いか確認しつつ立たせた
きっと怒ってるよな……
スーツにアイスくっついてるし……
どうしよう……
ルカさんが殴られそうになったら……
でも、オレが守らなきゃ!
つーかなんでスーツで遊園地いるんだよ……

「そんなに深刻そうな顔しなくても俺何もしないよー!
にーちゃん!
俺は大丈夫だけど、そっちのガールフレンドは大丈夫か?
スーツなんて洗えば落ちるけど
女の子の傷は治っても傷残っちゃう時があるからなぁ
俺よりガールフレンドの心配しな!」

想定外な言葉が飛んできてオレは驚いていた
だって、顔に傷があってスキンヘットだから……

『す、すいません
スーツのクリーニング代払います』

「いいんだって!
ほら、ケガはねーか?
手擦ったりしてねーか?」

ルカさんがとっさに手を後ろに隠した
手、怪我してたの気づかなかった……

『大丈夫です!』

「おじょーちゃん、嘘はついちゃダメだよ?
……ま、見せてくれなくても怪我してるのはわかった」

そういいながらポケットから財布を取り出し千円をオレの手にのっけてきた
それで小さい声で言ってきた

「これで絆創膏とか買ってやりな
じゃーなー」

「え!?
や、あの!
もらえないですって!」

後ろを振り向かずに手をヒラヒラさせ人混みに消えて行った
お礼言えなかった……
それに、ガールフレンドって……

『何、もらったの?』

「ルカさんの手、絆創膏とか買って治してあげろって千円もらいました」

『え!?
そんな、いいのに……』

でも、あきらかに手はいたそうだった
遠く離れて歩いてたルカさんのお母さんが異変に気づいてこちらに来てくれた

「どうしたの?」

オレが説明をしたらおばさんはバックから消毒液と大きな絆創膏をだした

「周りが見えなくて傷つくのはよくあることだから
常に消毒液と絆創膏、包帯は持ってるの
ごめんね、心配かけちゃって」

「あ、いえ、そんな事ないですよ!
相手の人も優しい人だったんで……」

「ありがとう
それと、そのお金、綱吉君がもらって?
いつもこの子の面倒見てくれてるから」

結局お金はオレがもらった
ルカさんのためにもらったのに凄く悪いな……



















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