リボーン短編

□近所のお姉さん
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オレの家の近所でよく見かけるお姉さんがいる
その人はいつも家の縁側に座ってボーッとしている
時折空を見上げて見れば悲しい顔をしていた
そんなある日
いつものように商店街で母さんに頼まれた買い物をしていたら
人にぶつかりながらウロウロしている人を見つけた

「おい!
ちゃんと前見ろよ!」

『す、すいません……』

よくみたら近所の家に住んでるお姉さんだった
ウロウロしては人にぶつかって
怒鳴られての繰り返しだった

なんであんなことしているんだ……?

そんな事をしていたらお姉さんは怖そうな人にぶつかってしまった

「おい、てめーどこ見て歩いてんだよ!?
いてーじゃねーか!
こりゃー慰謝料払ってもらわねーとなー」

『す、すいません……』

「謝って済む問題じゃねーだろ!
あぁ!?」

お姉さんはただひたすら謝っていた
周りの人はそれを見てみぬふりをしていた
オレもそーしようかと思ってたけど
それが嫌だったから何とかしてお姉さんを助けたかった

「おめーは謝る事しかできねーのかよ!」

男の人はお姉さんを殴ろうとしていた
危ないと思ったオレはお姉さんの前に立った

殴ろうとしていた手が止まった

「んだてめーは?
やんのか!?
あぁ!?」

「(ひ、ひぃー!
怖いよー……
で、でも、オレがこの人を助けなきゃ……)
や、やめてあげてください!
この人も謝ってますし!」

オレが止めに入ったら周りにいた人達もオレに便乗してきた

「そ、そーだぞ!
謝ってんだから許してやれ!」

「だいたいそんな体型なら当たったくらいで
怪我しないだろ!」

周りにいた人達が助けてくれたお陰で悪い人も何処かに行った

『すいません、ありがとうございます』

お姉さんはオレや周りの人たちにお礼を言っていた

少ししたら周りにいた人はいなくなった

『すいません、ホントにありがとうございます』

「い、いえ!
それより、大丈夫ですか?」

『私、目が見えないんです……
先ほどまで隣に母がいたんですがはぐれてしまって……
ウロウロしていたらこんなことになってしまいました……』

「え!?
目が……見えないんですか?
じゃあ、オレでよければ一緒にお母さん探しますよ!」

目が見えないだなんて……
オレがもしここにいなかったらこの人今頃どうなっていたんだろう……

『え、いいんですか?
凄く助かります!』

そこからいろいろお話をしながら歩き回った
話してたら凄く面白い人って事もわかって名前も教えてくれた
でも、話をしていたら
後ろの方から女の人の声が聞こえた

「ルカーーー!」

その声に反応してルカさんが声のする方へ振り向いた

『お母さん!』

凄い……
顔を見ないで自分の母親だってわかるなんて……

「すいません、ホントにありがとうございます!
私が目を離したら何処にもいなくて……
ホントにありがとうございます!」

「いえ!
それより、見つかってよかったです」

『ありがとうございました
今度、近所で見かけた時は話しかけてくださいね』

最後はそんな話をして彼女らは帰っていった
オレもそのあと頼まれた物を買って家に帰った

















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