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□キセキの夏祭り
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 屋台も人も多く、賑わっている祭りの会場。

 オレンジ色のライトが祭りの雰囲気を醸し出す。


「悪ぃ……待ったか?」


 青峰大輝が来たときには赤司征十郎、緑間真太郎、紫原敦はもう来ていた。

 紫原にいたってはすでにリンゴ飴を頬張っている。


「あー……テツと黄瀬は?」

「ボクはもう来てます。というより、一番に来てました」


 突然隣に現れた黒子に青峰はもちろん、緑間、紫原も驚いた。


「……黄瀬はまだなのだよ。言い出しっぺのくせして遅れてくるとは何事だ」

「あの……多分、あそこだと思います」


 黒子が指差す方向には女の子の軍団。

 きっとその中心にいるのが言い出しっぺだろう。


「おい、黄瀬ぇ! 待たせてんじゃねぇよ」


 堂々と女の子を掻き分けていく青峰。

 ものの数秒で黄瀬を連れてきた。


「あー、腹減った」

「すいませんっス。いやぁー捕まっちゃって」


 黄瀬は軽く頭を下げながら謝る。

 浴衣姿の6人が集まった。


「じゃあ、みんな揃ったなら行こうか」


 赤司の一言でみんな屋台の方へと歩き出す。


「赤司君はあまりお祭りのイメージ無いですね」


 歩きながら黒子は赤司を見る。

 その言葉に他の4人も確かに、と頷く。


「そうだね。見かけることはあっても行くことは無いかな」


 んー、と紫原は考える。

 手に持っていたリンゴ飴はもう無い。


「じゃあー、赤ちんにオレが祭りの醍醐味教えてあげるー」

「えっ? あっ、ありがとう」

「ってことで、わたがしー」


 紫原は赤司の腕を引っ張って、わたがしの屋台に並ぶ。

 その間、4人は何かしようと周りを見る。


「あっ、射的あるっスよ! 青峰っち勝負っス!」


 祭りに定番な射的を見つけた黄瀬はすぐさま青峰に勝負を挑む。

 青峰もノリノリのようだ。

 黒子と緑間はそれを見守る。


「多く落とせた方が勝ちっスよ」

「いいぜ、臨むところだ」


 2人は銃に弾をセットする。


「んじゃあ、いくっスよー!」


 流石というように2人は最初から当てる。

 2人とも外す気配がない。

 何かつまらない、と黒子はその様子を見つめていた。


「次も当てるっスよー!」


 黄瀬が構えたときだった。


 ――つんっ


「ちょっ!」


 黄瀬の横腹を黒子が突っつく。

 あまりに突然のことで、撃った弾は景品の横をかすることなくすり抜けていった。


「ちょっと何スか、黒子っち!」


 黄瀬は黒子の方を見る。

 黒子は少々してやったり顔をしていた。


「茶々入れです」

「ひどっ!」


 当然のように言う黒子に半泣きの黄瀬。

 その横の青峰はそんなことお構いなしで射的を続けている。


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