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□キセキの夏祭り
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「夏っスねー……」


 暑い中での体育館練習。

 全開に開けた扉にもたれ、微かに吹く風を感じる黄瀬涼太。


「あー……そういえば、女の子が夏祭り行こうとか言ってたっスねー……」

「どうかしたんですか?」


 いきなり横に現れたのは黒子テツヤ。

 影が薄く、黄瀬はよく驚かされる。

 本人も狙ってるのか、狙ってないのか。


「……ッ黒子っち! 毎回毎回驚かすのやめて欲しいっスよ〜」

「別に驚かしてないです」

「あっ」


 黄瀬は黒子の顔をじっと見る。

 見られている黒子は首を捻った。


「夏祭り! 行かないっスか?」


 いろんな女の子に誘われてはいるが、特に好きな子がいるわけではない黄瀬。

 故に一人に絞ることはできない。

 だからといって全員の子と行くのも面倒だ。

 ならば、男友達と行ってしまえばいい、そう考えた。


「……夏祭りですか」

「そう。青峰っちとか他の4人も誘って」


 黒子はどこか宙を見上げ、考える。


「いいですけど……大丈夫ですかね」


 自分の赴くままに行動するみんな。

 そう、マイペースの人たち。

 どうなるかはもう目に見えている。


「じゃあ、みんなに言ってくるっスねー! あっ、黒子っち浴衣でっスよー!」


 黄瀬はそれだけ言い残すと、4人のもとへ行った。


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