中編

□青春レモンとペパーミント3
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くそ、謙也に負けた、と拗ねて地面に落書きをしていると、

「現実逃避って、・・・そんなに俺との会話が嫌やったん!?」
「まあ、嫌じゃないとは言えないけど。」
白石君がまた近づいてきた。

「・・・なまえ、もうちょい白石に優しくしたってや。」
「えー?だって白石君私のライバルだし。」
「またそれかいな・・・俺は別に金ちゃんをみょうじさんからとろうとか、思ってないんやって。」
困り果てた顔で言う白石君。
だが、信じられない。
なぜなら現に彼は金ちゃんの保護者的存在だからだ。
そのポジションを保ち続けている以上、彼は私の敵である。

「金ちゃんの保護者的ポジションは、私が必ず奪ってみせる!!」
ビシッ、と白石君を指してみた。
我ながら結構かっこよく出来た気がする。
ドヤ顔してやろうと、二人をみてやると、

「・・・じゃあ、白石が父さんでなまえが母さんやったらええんとちゃう?」
「謙也、ナイスアイディアや!!」
呆れ顔の謙也がそこにいた。
・・・そして、恐ろしい一言を口にした。

「何がナイス!?
ナイスどころか史上最悪のアイディアだよ!!」
「ええやんか。そしたらなまえも納得できるやろ。」
「出来ないよ!?」
謙也はおかしいのではないだろうか。
まあ、スピードスターとか叫ぶくらいだから常識人だとは思っていなかったが。
あれ、でもツッコミは常識人がやるものなのでは?
・・・うーん?

「謙也、俺をこれ以上苦しめたいんか?こんなの絶対拒否られるに決まっとるやん。」
「いや、そんなつもりじゃなかったんやけど。」
じゃあどんなつもりや!?と騒いでいる二人に私は言い放つ。

「子供はいずれ父親と休日に遊びに行くことが多くなるの。
ただ家で待っているなんてポジション、私は絶対嫌だからね!!」
「ほらやっぱり・・・って、嫌なのそこかいな!!」
「別に、白石と夫婦設定なんはええんやな!?」
「え。」
・・・そこには気付かなかった。
こいつ、結構頭いいんじゃないか。
ちょっと連続で謙也に頭いいアピールされて、(勝手に自分が思っているだけだけど)ショックだ。
くそ、謙也のばか、と私はまた拗ねて地面に座り込んだ。
今度はぞうさんを書くことにしよう。

「また最初に戻るんかいな!!」
 

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