Blue
□夕雨
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「あ、め・・・?」
越前君の呆気にとられたような声。
「雨って、あの空から降る?」
茶髪君の声。
「だろうな。食用の飴だとは考えにくい。」
乾君。
「確かに・・・。」
“桃先輩“。
「雨か・・・。」
大石君。
そして、
「違うか?」
彼の声。
心地良いリズムを奏でる雨粒が、見える気がした。
水溜まりに、一粒の雨がおちる。
波紋が広がって、行き渡る。
「な、んで?」
「今、音を聞いていただろう?それと、さっきも。」
「何で、音を聞いているってわかったの?」
「そうだな、・・・。」
一拍おいて、彼が言う。
「自分があの時そうしたから、だろうな。」
また、波紋が生まれる。
音がする。
きっと、雨が降り始める音だ。