何度巡っても
□両親
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「産まれました!!男の子ですよ!!」
「っよく頑張ったな!男の子だ!」
やっとか。
産まれたばかりの俺を抱きしめ泣く父親。
「あなた……っ、赤ちゃんの、顔をみせて、」
汗と涙で顔がぐちゃぐちゃになっている母親。
「あぁ、よかった…っ、産まれてきてくれて、ありがとう…っ、」
何度も繰り返してきたこの行為。
そして、決まってこの後俺の名前を呼ぶ。
何の迷いもなく、初めから決まっていたかのように。
「初めまして、パパとママだぞ、
リヴァイ」
ほら。
初めまして、両親。
久しぶりだな、世界。
クソ眼鏡はもういるだろうか。
どうでも、いいか。
早く育たなくては。
あいつを探さなくては。