桜の約束
□最終話
1ページ/4ページ
「何者だ!?」
「探せ!」
「まだ内部にいるはずだ!!」
部下に混乱が走る。
「くそっ!!一体誰なんだ!!」
「只者じゃないのな!」
「んなことわかってる!」
幹部にも混乱が走る。
原因はつい3分ほど前。
「〜♪」
とある場所の鍵の管理を任されていた人物がいた。
その人物はなにもないだろうと楽観し、鼻歌まで歌う始末だった。
だが、気づけば…否、同僚に気づかされると、
いつの間にか…その部屋の鍵がなくなっていた。
その人物は焦燥と不安とパニックに襲われた。
まず、自分たちが侵入者に気づけなかったこと。
これは致命的なミスだ。
そして…何よりまずいのは…、あの部屋という名の牢の鍵が盗まれたこと。
あの部屋のことがほかのマフィアにバレれば、
ボンゴレは権威を地の底まで落とすことになる。
それゆえに、現在、ボンゴレには混乱が渦を巻いていた。
ボンゴレにこんな混乱を招いたのはほかでもない。
名無しさんだった。
名無しさんは気づかれぬように侵入し、鍵を奪い、
今は綱吉のいる部屋へと向かっていた。
名無しさんは綱吉のいる場所がわからなかったわけではない。
綱吉の前世のことも話してもらったし、
直系の血筋ということで綱吉を利用するボンゴレのことは目に見えていた。
ではなぜ今まで行動しなかったのか。
それはもし自分が失敗し、戦闘種族だということがバレ、
さらに綱吉に重い実験が課せられるかもしれないという懸念があったためだ。
だが、今の名無しさんにとってそんなものは関係ない。
混乱するボンゴレを他所に次々と本部を破壊していく。
.