桜の約束

□5話
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あれから制裁という名の暴力や育児放棄は半年の間に渡って行われた。


その間、亜子は名無しさんにどんな媚でも売ってきたが、
名無しさんはビクともせずにずっと綱吉のそばにいた。




「綱吉…」



「どうしたの?」


「…大事な、話があるんだ」


「大事な、話?」



綱吉は少し怯え気味にそう答えた。

名無しさんと綱吉は今日15歳になる。


名無しさんは以前初代から聞いていた“試練”の時期だ、と思い出す。
となれば、綱吉に話さなければいけなかった。



「でもこの話は誰にも聞かれちゃいけない。
綱吉、重りを全部外して隠して。」


「うん」



名無しさんはもうすでに隠しておいたようで、
綱吉の重りを隠す様子を見ていた。



「前にやったね?飛を使って飛ぶよ。」


「わかった。場所は?」


「並盛山の奥深くにとある湖が一つだけある。
俺たちじゃないといけないような場所だ。
そこの一本だけある桜の木下だ」


「了解」



名無しさん達は一斉に駆け出した。もちろん、窓から予備用の靴を履いて。



名無しさんと綱吉の付けている重りが違うように、
名無しさんと綱吉には身体能力の違いがある。


そのため、一緒に行くことはできないのだ。






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