短編

□ある日の蛇寮、あるいは“先輩”について
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闇の魔法使いの巣窟。


ハリーはスリザリンをそう信じて疑わないし、ロンは言わずもがな。
マグル生まれを馬鹿にされることも多々あるハーマイオニーも、基本的にはスリザリンに厳しい。

しかしこんな三人でもたまに、

スリザリンって……


と悪意なく呆れることがある。
その全ての場合に関わるとある先輩についても交えた、
これはある日のスリザリンの物語。




《ハリーの目撃情報》


今朝僕らが競技場の片面使ってクィディッチの練習してた時のことなんだけど。
運悪くというか、先生ってチャレンジャーというか、スリザリンがもう片面使ってたんだよね。

いつ向こうが嫌がらせしてくるかってウッドがすごい警戒してたんだけど、おかしなことに―だってスリザリンなのに!―いつまでたっても仕掛けてこなくてさ。

正直、僕不気味で仕方なかったんだけどスリザリンが大人しい理由は練習の中盤で判明した。
“あの先輩”が見学に来たんだ!

城からあの人が出てきた途端にフリントはやたらときびきび指示出すし、息のあったパスワークし出すし……、試合でも見たことないよ?あんな連携。

あのウッドが思わず魅入るくらいすごかった。
僕?
ものすごくムカついた。
アイツら普段から真面目にやればいいのに。


休憩入ったら速攻で先輩のところに向かって飛んでいくし………差し入れとか貰ってたよ、確か「テーブル以外でものを食べるなんて最低限の教養もないんだねグリフィンドールの野蛮人たちは」って差し入れ食べてるのバカにしてたの昨日じゃなかったっけマルフォイ。
なにその笑顔。


あいつが宗教画の天使に見えた僕の目ってもうダメかもしれないや。
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