三日月
□八話
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結衣が学校に着くまでに暴言が聞こえてきた
結衣は心の中で(大丈夫、大丈夫)と呪文のように言っていた
学校に着き教室に行くとクラスメートに汚いものを見るかのような目で見られた
結衣は気にしながらも席に行った
結衣の席は窓側の後ろで机や椅子に落書きされていた
そして、机には花瓶が置かれていた
結衣は花瓶を窓側によせ、タオルで椅子と机を拭き始めた
結衣の側を通った人が結衣に水をかけた
「ごめんなさーい。見えなかったわ」
などと、笑いながら通り過ぎていった
「っ………」
結衣は辛くなったが我慢した
(大丈夫、大丈夫)