三日月

□十二話
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個室に移されてからは食事をとるように看護士が食べさせている

ある食事中のとき

「何食べる?」

看護士が結衣に聞いていた

結衣は横に振った

忍足がトイレに行くために部屋を出て行った

その瞬間、看護士が

「何で食べてくれないの?少しでもいいから食べなさいよ!」

と叫びお粥を結衣の口に入れた

結衣はとっさのことで飲み込みむせた

「ゲホッ…ゲホッゲホッ」

結衣は食べたものを吐き出した

「汚いわね。ちゃんとしてよ。私の評判が下がるじゃないの!!」

と言った

次の瞬間物が飛んできた

ガシャン

看護士は驚き結衣の方を見た

「うるさい、うるさい、うるさい」

結衣はお見舞いとして貰った果物や本などを投げた

「私を自分の株のために利用しないでよ!私だってちゃんと生きてみたい。小学校のときも私は悪くない。」

忍足がトイレから帰ってみると部屋のドアが開いており物が飛んでおり看護士が後ずさりしている

中を見ると結衣が物を投げ涙を流しながら叫んでいる

忍足は結衣を止めに部屋に入っていった

「結衣!結衣、分かるか?」

「やだ、悪くない。もう、やだよ…」

忍足は結衣の身体を抱いた

結衣は忍足の身体を叩いた

「放して、もうやだ。皆、居なくなる…」

「大丈夫や。俺はいなくならへん。ずっと一緒や」

「嘘だ!皆そういった。でも皆居なくなった。助けてくれなかった!皆…皆裏切った…」

「俺は、絶対に裏切らへん。俺は、ずっと一緒におる。もう大丈夫や。」

忍足は結衣の身体をギュッと抱きしめた

「大丈夫。俺は近くにおる。やから安心して寝り。」

忍足はゆっくり頭を撫でた

結衣は安心したのか忍足の胸の中で眠りについた。
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