銀魂の愛

□3.対面
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『さむ・・・』

少しづつ冬も近くなってきた。
10月はまだ微妙な気温とかなめていたが

案外寒い・・・。


大江戸スーパーの場所はバッチリ覚えたから買い物にでも行こう。



「おまえ、」

『?あ』

振り返ればそこには傘の男性がいて。
傘の男性っておかしいな

『あの、名前教えてもらってもいいですか?』

「名刺に書いてなかったか?」

『いや、読み間違えててもいけないので』

「あぁ、そーゆーことな。坂田銀時だ」

『私夢翔です』

「夢翔どっかいくのか?」

『はい。大江戸スーパーへちょっと』

「俺もだ。一緒に行くか」

『はい』

笑って銀時のとなりを歩く。

「ぎんちゃーん!!」

少し遠くから銀時らしき人を呼ぶ叫び声が

「ったく、ちょっと待っといてもらえるか?」

『あ、はい(笑)全然いいですよ』

そう笑うと頭を掻きながら行ってしまった。







「おい、お前」

『ッ・・』

ビクッと体が波打ったこの聞き覚えのある声

「貴様、あのことを忘れたわけではあるまいな」

『・・・・』

「なんとかいったらどうな」
「はいはーい。おにーさん」

「なんだ貴様ッ」

「こんな昼間っからナンパしてんじゃねーよ」

「関係無い奴は引っ込んどいてもらおうか」

「関係なくねぇんだよ


 泣いてんだろ。この女に手ぇ出すな」

「そんなもの知ったことか」

「一旦引け。ここで騒ぎにはしたくねぇもんでね」

「そうだな。女、忘れんなよ」

『・・・っ』

ビクビクしてばかりだった。
何も言えなかった。
何もできなかった。
これじゃぁ。。。あの時と何も変わらない・・・っ


「夢翔」

『っ!』

銀時に名前を呼ばれて我に戻った。

「さっきの天人なにもんだ?」

『・・・あの、ね』

「旦那じゃないですかィ」

「『ッ!』」

後ろから来た総悟
咄嗟に涙を隠すように背を向けて涙を拭った。

「?夢翔なんで旦那といるんでィ」

「総一朗くんさぁ、ちょっとは空気読んだら?!」

「総悟です。見えないもんは読まない主義なんでさぁ」

「あっそ・・・」

肩お落とした銀時。

「総悟ォォォォォォォッ!!」

遠くから土方が走ってくるのが見えた。

「あ、来た」

ちょっと周りがざわついたとき

「後で聞く」

銀時が小さな声でそう言ってくれた。

私はただ頷いた。

頷くことしかできなかった。
 

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