リリカルなのは〜仮面の騎士と鋼の英雄〜
□Ep.5 特務六課と四人の戦士
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その頃、フェイト、エリオ、スバル、ティアナ、RX、シャリバン、シャイダーのほうでも、コスモデルザー軍団の怪人たちと交戦していた。
「走れ!イナズマ!!」
「「くっ……!」」
怪人『エイキング』の落雷攻撃を避けるフェイトとエリオ。
「ほう、俺のイナズマ攻撃を避けるとは中々のものだな。そういえばお前たち二人も電気を使うんだったな。俺とどちらが上か勝負だ!」
「それなら……!」
「望むところだ!」
「でやあああ!」
スバルが怪人『カマクビガメ』に右ストレートを当てるが、逆に自らの右腕に反動がかえってくる。
「くっ!こいつ、固い!」
ティアナの使う「ジャベリン」の弾丸もものともしない。
「ハハハハハ!俺様はデストロンのヨロイ一族の名に恥じない堅さを誇っているのだ。そう簡単に貫かれはせんわ!」
カマクビガメの防御の堅さに怯むスバルとティアナ。スバルは拳を、ティアナは手に持つジャベリンを構える。
「シャドームーン!相手になるぞ!」
「RX!俺は貴様と戦うためにここへ来たのではない。貴様との勝負ならまた今度だ!ゆけ、クワガタ怪人!」
「ギエェェェ……!」
「お前は、クワガタ怪人!」
「さらばだRX!その首、誰にもとられるなよ!」
「では、さようなら特務六課の諸君。運があったらまた会おう」
「待て!シャドームーン!」
「グオォォォォ……!」
シャドームーンを追いかけようとするRX。だが、クワガタ怪人が割り込み、シャドームーンとハーディスは、シャドームーンが放った緑色の電撃とともに姿を消した。
「ちいっ!逃げられたか……!」
「しかたがない、こいつらを倒すぞ!」
シャリバン、シャイダーは多人数の兵士チャップと戦い始める。
「ゴオォォォ!走れ!イナズマ!」
「エリオ!コンビネーション、いくよ!」
「はい!」
フェイトはバルディッシュアサルト・ライオットブレードUの一本をエリオに渡し、二人はバルディッシュアサルト・ライオットブレードUの刃をエイキングの腹部に交差するように突き刺し、二刀に導電ケーブルに繋ぎ固定する。
「むうう!?これは……!?」
「「サンダー・レイジW!!」」
「ぬおおおおおおお!!」
直後、エイキングに大量の電撃が注がれる。これこそがフェイトとエリオによるコンビネーション技『サンダー・レイジW』である。
「バ、バカな……!俺よりも強力な電気を持ったものがいるとは……ゴオオオオオオオ!!!」
―――ドガアアアアン!!
エイキングはついに電流に耐えられなくなり、爆発した。
「ふう……」
「やりましたね。フェイトさん」
「うん……そうだね」
エイキングを倒し、安堵の息を漏らすフェイトとエリオ。
「はあぁっ!」
「たあぁっ!」
「ぬはははは!効かん、効かんわ!」
「クライムバスター!」
「ビデオビームガン!」
「うお!?」
スバルとティアナの攻撃が効かないことに余裕を見せたカマクビガメだったが、後ろから赤色と青色の光線銃のレーザーを喰らう。
「あなたたちは……」
「お前たち管理局に手を貸すのは癪だが、協力してやる」
「今回だけだからな」
シャリバンとシャイダーは冷淡な態度でスバルとティアナに接する。
「ぬうう……!だが、いくら増えたところで負ける俺様ではないわ!」
「あいつの堅い装甲……どうしたものか」
「弱点とかあればいいんだけどな」
シャリバンとシャイダーは長剣『レーザーブレード』を構える。
「俺様の実力はこんなものじゃないぞ!グエエエエエエ!!」
カマクビガメは首を伸ばしてシャリバンとシャイダーの二人に絡みつき、動きを止める。
「ぐうっ!」
「しまった!」
「ティア!」
「ええ!任せなさい!」
ティアナが放った弾丸は、カマクビガメの伸びた首に命中し、二人の宇宙刑事を解放した。
「うわあああああ!」
「! もしかして、あの怪人首が弱いんじゃ……!?」
「! し、しまった!」
スバルの分析が当たり、弱点がバレてしまうカマクビガメ。
「なるほど、首が弱点か……!」
「だが、どうやって首を引っ張り出すんだ?」
「それなら、私たちに考えがあります」
シャイダーの疑問にティアナが提案を持ちかける。
「……いいだろう。お前の提案を言ってみろ」
「はい。まず……」
ティアナはシャリバン、シャイダー、スバルに自分が考えた作戦を伝える。
「オーケー!それでいこう!」
「よし。それでいくか」
「いくぞ!」
シャイダーの号令で四人は作戦を開始した。
―――ザザッ…… ザッ…… ザザッ……
四人はカマクビガメから距離をとっている。カマクビガメの周りを囲むように動き回る。
「ええい……!なにをするつもりだ……!」
「「はあっ!」」
「ぬう!そんなもの!」
シャリバンとシャイダーの二人はカマクビガメの正面に立つと、クライムバスターとビデオビームガンを撃つ。
「今だ!」
「「バインド!」」
「うおっ!?」
シャリバンとシャイダーの攻撃に気を取られた瞬間、カマクビガメはスバルとティアナの二人のバインドにより、動きを封じられる。
「ええいっ!なめるな!」
カマクビガメは四人を薙ぎ払おうと首を伸ばした。だが、それを見かねた四人は「かかったな」と言わんばかりににやっと笑う。
「それを待っていた!いくぞ! シャリバン・クラッシュ!!」
「シャイダー・ブルーフラッシュ!!」
シャリバンは夕日を背景に、バードニウムエネルギーを注入したレーザーブレードを斜めに振り下ろす必殺技『シャリバンクラッシュ』を、シャイダーは同じようにバードニウムエネルギーを注入したレーザーブレードを水平に振って切り裂く必殺技『シャイダーブルーフラッシュ』をカマクビガメの首に目掛けて斬撃を喰らわせた。
「グアアアアアア!!」
―――ドドオオオオオン!!
カマクビガメは二人の魔導師と二人の宇宙刑事の前に敗れた。
「トアッ!トオアッ!」
「ギギイィーーー!」
RXはリボルケインで攻撃するが、クワガタ怪人の角で右腕を掴まれてしまう。
「ぬぅっ、しまった……!」
「グオォォォォォ!!」
「こう言う時は……バイオ、ライダー!」
RXの体が輝きだすと、青いゲル状になってクワガタ怪人の角をすり抜け、背中を二回斬りつけ、再びクワガタ怪人の正面に降り立つ。その姿は青いボディの戦士に変わっていた。
「俺は怒りの王子……!仮面ライダーBLACK、RX!バイオライダー!!」
RXは怒りの王子と呼ばれる戦士『バイオライダー』へと姿を変え、武器であるバイオブレードを構える。
「グオォォォォォ!」
クワガタ怪人は角を向けてバイオライダーに体当たりを仕掛ける。
「スパーク、カッタァァーーー!!」
「グアァァァァァ!!?」
バイオライダーの必殺技『スパークカッター』の斬撃がクワガタ怪人の角を切り落とした。
「いくぞっ!トアッ!」
バイオライダーはRXへと姿を戻すと、リボルケインを構えて、クワガタ怪人に向かって飛びかかる。
「トオアァァッ!」
「グオォォ!?」
RXはリボルケインをクワガタ怪人の腹部に突き刺し、火花が血飛沫のごとく噴出する。
「グオアァァァァァ!!?」
―――ドグワアアアアン!!
RXはリボルケインを抜き、Rの文字を描くようにリボルケインを振り、背後ではクワガタ怪人が断末魔をあげながら爆発した。RXの最大の必殺技『リボルクラッシュ』が決まったのである。