リリカルなのは〜仮面の騎士と鋼の英雄〜
□Ep.4 動き出す影
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トーマたちのグループの前に、怪魔ロボット・シュバリアンが率いる怪人部隊が現れる。シュバリアンにシャドームーンから通信が入る。
<ゼロ因子適合者≪ドライバー≫・・・トーマ・アヴェニールは生かして捕らえろ。あとの者たちは殺してかまわん!>
「ははっ。承知! そういうわけだ。トーマ・アヴェニール。我々とともに来るなら、無傷で連れて行ってやるぞ」
「俺を捕まえて、どうするつもりだ!」
「お前は我々の計画に必要な存在なのだ。さあ、我々と共に来い!」
「トーマ!」
「ああ。分かってるよアイシス。 悪いけど、俺はお前たちなんかに協力しない!」
トーマはシュバリアンの勧誘を断る。
「そうか……ならば、多少痛い目にあわせてでも連れて行かせてもらう!お前たち、トーマ・アヴェニールは生かして捕らえろ!他のものは殺して構わん!」
「「「「「ゲエェェーーーー!!」」」」」
シュバリアンの怪人部隊が動き出したそのときだった。
「待て!」
「「「「「!?」」」」」
「む、誰だ!」
突然、男の声が聞こえてくる。視線を動かすと岩の高台にパンチパーマが特徴的な青年がいた。
「コスモデルザー!俺が相手だ! 変んん……身!!」
青年はキーワードを叫びながら、両腕を動かしてZを思わせるようなポーズから、ハーフXを作り、右腕を左斜め上に伸ばし、左手は拳を握って腰元に置く。
「トオッ!」
眩い光が輝き、岩の高台からジャンプし、トーマたちの前に着地する。
その姿は銀色のボディに、カミキリムシを模した朱色の仮面に、緑の複眼。そして、戦士は右腕を右に伸ばし、左腕を右斜め下方向に伸ばして、シュバリアンたちに名乗る。
「仮面ライダー……ZX!!」
場所は戻って拘置所内部。ハーディスはすでにシャドームーンの手に渡り、シャドームーン配下の怪人たちがシャドームーンとハーディスの二人をガードしていた。
「カレン!どうするの!?」
「参ったわね……本当ならトンズラしたいところだけど、こいつらはあの子(トーマ)を狙っている。 しかも、ヴァンデインがあの、コスモデルザーだっけ……?あいつらの手に渡って逃げられたら、探すのに手間がかかる……」
「こうなったらあの銀色の野郎を……!」
「やめときなさいヴェイ。多分、あんたじゃ返り討ちにされるわ」
「!!……チッ」
シャドームーンと戦おうとするヴェイロンを、カレンが止める。あのカレンがそう言うのだ。ヴェイロンは舌打ちをしながらも彼女のいうことを渋々承諾する。
「くっ……!トーマ達を助けにいかなきゃならない……けど、目の前にはフッケバインとヴァンデインがいるし、ここを離れるわけにはいかない。 どうすれば……?!」
考えるフェイト。するとスバルに再びトーマから通信がくる。
「トーマ!?なにかあったの?!そっちは平気!?」
<俺たちなら平気だよ。だって……>
「? トーマ……?」
<だって、仮面ライダーが来てくれたから……!!>
トーマのその言葉は、拘置所内部にいた全員に聞き渡った。
「なにっ!どういうことだ!!」
「こういうことだ!!」
「「「「「!!?」」」」」
シャドームーンが声を荒げたあと、突然聞こえる青年の声。その声は、穴が開いた天井の上から聞こえ、そこに白いジャケットと白いズボン姿の青年がいた。
「シャドームーン!お前たちにこの世界は渡さん!! ……変身!!」
青年は右腕を天に向けて上げたあと、少しずつ下げていき、そこからポーズをとる。すると腰にベルトが出現し、太陽のように光が輝きだす。光が晴れると、青年は黒い仮面に、黒いボディ、真っ赤な目の戦士へと姿を変えた。
「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!RX!!」
仮面ライダーBLACK RX……黒い仮面の戦士はそう名乗った。
「RX!お前もこの世界に来ていたのか!!」
「シャドームーン!いや、コスモデルザー軍団!お前たちの思い通りにはさせない!リボルケイン!」
RXはベルトから光の剣「リボルケイン」を取り出し、左手で持ち、右手に持ち替える。
「トアッ!」
RXはジャンプして降り立つ。
「機動六課……いや、今は特務六課だったな。先輩たちから話は聞いている。一緒に戦ってくれるか?」
特務六課のメンバーは互いに顔を合わせをし、うんと頷き、フェイトがしゃべる。
「もちろんです!一緒に戦いましょう!」
「よしっ!いくぞみんな!」
「「「「「了解!」」」」」
「シャリバン、俺たちもいくぞ!」
「ああ!」
先ほどから地味に空気になっていたシャリバンとシャイダーも怪人軍団に立ち向かう。
「カレン。あたしらはどうする?」
「……いろいろ考えたけど、今はズラかりましょう」
「いいのか?ヴァンデインの野郎は取り逃がすことになるぞ?」
「特務六課だけならまだしも、仮面ライダーも参加したんじゃ、流石に手の打ちようがないわよ。あたしたちは、あたしたちの方法で追うことにするわ。いいわね?」
「は〜い」
「……分かったぜ」
「それじゃ、退却しますか♪」
カレンはソニカとヴェイロンとともに拘置所から姿を消し、特務六課とRX、二人の宇宙刑事たちとシャドームーン配下の怪人軍団との戦いが始まった。