リリカルなのは〜仮面の騎士と鋼の英雄〜

□Ep.4 動き出す影
2ページ/2ページ

トーマたちのグループの前に、怪魔ロボット・シュバリアンが率いる怪人部隊が現れる。シュバリアンにシャドームーンから通信が入る。

<ゼロ因子適合者≪ドライバー≫・・・トーマ・アヴェニールは生かして捕らえろ。あとの者たちは殺してかまわん!>

「ははっ。承知! そういうわけだ。トーマ・アヴェニール。我々とともに来るなら、無傷で連れて行ってやるぞ」

「俺を捕まえて、どうするつもりだ!」

「お前は我々の計画に必要な存在なのだ。さあ、我々と共に来い!」

「トーマ!」

「ああ。分かってるよアイシス。 悪いけど、俺はお前たちなんかに協力しない!」

トーマはシュバリアンの勧誘を断る。

「そうか……ならば、多少痛い目にあわせてでも連れて行かせてもらう!お前たち、トーマ・アヴェニールは生かして捕らえろ!他のものは殺して構わん!」

「「「「「ゲエェェーーーー!!」」」」」

シュバリアンの怪人部隊が動き出したそのときだった。

「待て!」

「「「「「!?」」」」」

「む、誰だ!」

突然、男の声が聞こえてくる。視線を動かすと岩の高台にパンチパーマが特徴的な青年がいた。

「コスモデルザー!俺が相手だ! 変んん……身!!」

青年はキーワードを叫びながら、両腕を動かしてZを思わせるようなポーズから、ハーフXを作り、右腕を左斜め上に伸ばし、左手は拳を握って腰元に置く。

「トオッ!」

眩い光が輝き、岩の高台からジャンプし、トーマたちの前に着地する。

その姿は銀色のボディに、カミキリムシを模した朱色の仮面に、緑の複眼。そして、戦士は右腕を右に伸ばし、左腕を右斜め下方向に伸ばして、シュバリアンたちに名乗る。

「仮面ライダー……ZX!!」


場所は戻って拘置所内部。ハーディスはすでにシャドームーンの手に渡り、シャドームーン配下の怪人たちがシャドームーンとハーディスの二人をガードしていた。

「カレン!どうするの!?」

「参ったわね……本当ならトンズラしたいところだけど、こいつらはあの子(トーマ)を狙っている。 しかも、ヴァンデインがあの、コスモデルザーだっけ……?あいつらの手に渡って逃げられたら、探すのに手間がかかる……」

「こうなったらあの銀色の野郎を……!」

「やめときなさいヴェイ。多分、あんたじゃ返り討ちにされるわ」

「!!……チッ」

シャドームーンと戦おうとするヴェイロンを、カレンが止める。あのカレンがそう言うのだ。ヴェイロンは舌打ちをしながらも彼女のいうことを渋々承諾する。

「くっ……!トーマ達を助けにいかなきゃならない……けど、目の前にはフッケバインとヴァンデインがいるし、ここを離れるわけにはいかない。 どうすれば……?!」

考えるフェイト。するとスバルに再びトーマから通信がくる。

「トーマ!?なにかあったの?!そっちは平気!?」

<俺たちなら平気だよ。だって……>

「? トーマ……?」

<だって、仮面ライダーが来てくれたから……!!>

トーマのその言葉は、拘置所内部にいた全員に聞き渡った。

「なにっ!どういうことだ!!」

「こういうことだ!!」

「「「「「!!?」」」」」

シャドームーンが声を荒げたあと、突然聞こえる青年の声。その声は、穴が開いた天井の上から聞こえ、そこに白いジャケットと白いズボン姿の青年がいた。

「シャドームーン!お前たちにこの世界は渡さん!! ……変身!!」

青年は右腕を天に向けて上げたあと、少しずつ下げていき、そこからポーズをとる。すると腰にベルトが出現し、太陽のように光が輝きだす。光が晴れると、青年は黒い仮面に、黒いボディ、真っ赤な目の戦士へと姿を変えた。

「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!RX!!」

仮面ライダーBLACK RX……黒い仮面の戦士はそう名乗った。

「RX!お前もこの世界に来ていたのか!!」

「シャドームーン!いや、コスモデルザー軍団!お前たちの思い通りにはさせない!リボルケイン!」

RXはベルトから光の剣「リボルケイン」を取り出し、左手で持ち、右手に持ち替える。

「トアッ!」

RXはジャンプして降り立つ。

「機動六課……いや、今は特務六課だったな。先輩たちから話は聞いている。一緒に戦ってくれるか?」

特務六課のメンバーは互いに顔を合わせをし、うんと頷き、フェイトがしゃべる。

「もちろんです!一緒に戦いましょう!」

「よしっ!いくぞみんな!」

「「「「「了解!」」」」」

「シャリバン、俺たちもいくぞ!」

「ああ!」

先ほどから地味に空気になっていたシャリバンとシャイダーも怪人軍団に立ち向かう。

「カレン。あたしらはどうする?」

「……いろいろ考えたけど、今はズラかりましょう」

「いいのか?ヴァンデインの野郎は取り逃がすことになるぞ?」

「特務六課だけならまだしも、仮面ライダーも参加したんじゃ、流石に手の打ちようがないわよ。あたしたちは、あたしたちの方法で追うことにするわ。いいわね?」

「は〜い」

「……分かったぜ」

「それじゃ、退却しますか♪」

カレンはソニカとヴェイロンとともに拘置所から姿を消し、特務六課とRX、二人の宇宙刑事たちとシャドームーン配下の怪人軍団との戦いが始まった。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ