仮面ライダーカブトGODSPEEDWITCHES

□Chapter1-2
3ページ/4ページ

ウーーーーーー!!

「この警報…ワームが現れたんですね」

「そうみたいだな」

ここは、横須賀に構えている小さな病院『宮藤診療所』。診療所の縁側にはここの診療所の一人娘で扶桑皇国海軍遣欧艦隊第24航空戦隊288航空隊に所属している軍曹『宮藤芳佳』と、一度街で歩いていたら、女性が即座に振り向いてしまいそうな美形な顔立ちをした黒髪の青年がいた。

―――スッ

「あ、もう行くんですか?」

「ああ。そろそろ家に戻らないといけないからな。その豆腐は今夜の夕飯にでも食べてくれ」

「はい!ありがとうございます、『天道』さん」

「ああ…また来る」

青年『天道総司』は、立ち上がって芳佳に一言言ってから、診療所を後にした。


「……」

帰路を歩く天道の前に一人の少女が現れた。天道はその少女に見覚えがあった。

「君は確か、芳佳のはとこの…」

「!!……」

「なにっ…!?」

直後、芳佳のはとこである少女『山川美千子』はその姿をワームサナギ体へと変貌させた。

「まさか…あの子にまで擬態するとはな。目的は……診療所か」

「!!…」

「その様子だと当たりのようだな。だったら、ここから先に行かせるわけにはいかないな」

天道はどこからともなく飛んできた赤色のカブトムシ型昆虫コア『カブトゼクター』をキャッチする。

「変身!」

<HENSHIN>

カブトゼクターを腰に巻かれた『ライダーベルト』に装着すると、電子音が発せられ、天道の全身は銀色の重甲の鎧に包まれる。この蛹を模した姿は『マスクドライダー=カブト/マスクドフォーム(以後カブトMF)』と呼ばれる。

「キシャァァ…!」

「ふっ!はっ!たぁっ!はあぁ!」

ワームサナギ体の攻撃をかわしながら拳を叩き込むカブトMF。最後に蹴りで吹っとばすが、起き上がったワームサナギ体は脱皮して、ハエを模した成虫体『ミュスカワーム』に変異する。

「シャァァ!」

「!ふん!」

―――バシャッ!ジュウゥゥゥ……。

ミュスカワームが口から吐いた毒液をかわすカブトMF。自身の背後にあった木に毒液が命中し、木はどんどん腐食され、溶解された。

「キャストオフ!」

<CAST OFF>

カブトMFがカブトゼクターのゼクターホーンを動かし、電子音が発声されると、銀色の鎧はパージされ、相手のミュスカワームに向かって飛散する。鎧が脱がれたことにより、カブトはスマートで身軽そうな赤色の装甲に変わり、東部はカブトムシを模した青い複眼の赤い仮面のものへと変わり、赤い一本角が立つ。

<CHANGE BEETLE>

カブトMFは、瞬く間に『カブト/ライダーフォーム(以後カブトRF)』へと第2変身を遂げた。

「シャアァ!」

「クロックアップ!」

<CLOCK UP>

ミュスカワームがクロックアップを発動すると、カブトRFもライダーベルトの左側のバックルのスイッチを叩いてクロックアップを発動する。これにより一体のワームと一人のライダーは超高速の世界に突入する。

「シャアァァ!シャアァ!」

「ふっ、はあっ!たあっ!りゃあっ!はああっ!」

ミュスカワームの攻撃を避け、カウンターで打撃を当てていくカブトRF。

「はあっ!」

<1>

「ふん、たぁっ!」

<2>

「らあぁっ!」

<3>

パンチやキックを当て、アッパーカットで上空へと吹き飛ばしながらカブトRFは、カブトゼクター上部の脚3本それぞれに内蔵されたスイッチ・フルスロットルを『1,2,3』の順に押す。

「ライダー…キック!」

<RIDER KICK>

カブトRFは、ゼクターホーンを一旦マスクドフォーム時の位置に戻して再び倒すと、『RIDER KICK』の電子音が発声され、波動に変換されたタキオン粒子が右足に収束する。

「はああっ!」

―――ドゴオッ!

「!!」

―――スガアァァァァン!!

<CLOCK OVER>

落下してくるミュスカワームを、背後からの必殺の回し蹴り『ライダーキック』で撃破したカブトRF。それと同時にクロックアップも解除される。

「……」

カブトRFは太陽を背に、右手の一指し指で天を指し示すポーズをとり、勝利をものにした……。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ