仮面ライダーカブトGODSPEEDWITCHES
□Chapter1-1
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扶桑皇国・横須賀
横須賀の港は、扶桑皇国海軍がよく利用する場所でも名が高い所だ。
だが巨大隕石の影響で、ここ横須賀も無害で済むはずがなく、海が干上がったことにより、停泊する戦艦の数も以前より減っていった。
これを見かねたZECTは扶桑皇国の陸、海軍に輸送航空機の生産を急がせ、貿易や資材の輸送などを海から空に移す事にしたのだ。それからして、扶桑皇国の羽田、成田を始めに空港が建設され、海軍はやむ無く出番が減ることになった。
「かつてはブリタニアと並ぶ海洋国家であった扶桑も、今では空で仕事をすることになるとは、予想だにもしていなかっただろうな」
「おかげで覇気の無い海軍兵が続出してしまったしな」
ZECTに所属する扶桑皇国陸軍少佐『大和鉄騎』が一人で呟いていると、扶桑皇国海軍遣欧艦隊第24航空戦隊288航空隊少佐『坂本美緒』が彼の隣に来てそう話す。
「いいのか?坂本少佐には新兵の教育という大事な仕事があったはずだが?」
「なに、私は下準備のためにここに来たのさ」
「下準備?まさかとは思うが……」
「そのまさかさ。ZECTの幹部格に値するあなたが、あの件を知らないはずがないと思うが?」
「……仮にあの話が本当だと言うのなら、少佐は『まだ』飛ぶつもりか?」
「……」
大和に言われた美緒は口を閉ざしてしまう。もちろんどういう意味で言ってるかは分かっている。だが、どうしても彼女はこの話を聞いて黙っているはずがなかった。
「私は飛ぶさ……たとえ誰から反対されようとも、私は『あの』メンバーの一人でいたい。私は、仲間外れは嫌いだからな……」
「少佐、そろそろ……」
「む、分かった。すぐに行く。それでは大和少佐。我が故国は頼んだぞ」
美緒は自身の従兵である扶桑皇国海軍兵曹『土方圭助』に呼ばれ、大和に一言挨拶してその場を去った。
「……『第501統合戦闘航空団・ストライクウィッチーズ』……か。まさかあの部隊がロマーニャで再結成されるとはな……」
大和は先日の会議で聞かされた話の内容を、一人で簡単に呟いた……。