リリカルなのは〜仮面の騎士と鋼の英雄〜
□Ep.5 特務六課と四人の戦士
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拘置所に集結した四人の戦士、宇宙刑事シャリバン、宇宙刑事シャイダー、仮面ライダーZX、仮面ライダーBLACK RXは、エクリプス事件の黒幕、ハーディス・ヴァンデインとコスモデルザー軍団を追って、新暦81年のミッドチルダへと来ていた。
拘置所の屋外で警戒を行っていたトーマたちの前に、怪魔ロボット・シュバリアンの怪人部隊が襲いかかってきた。その窮地を助けに現れたのは、10号ライダー、仮面ライダーZXだった!
「トオッ! トオッ!トオォッ!」
「「「イ゛ィィィーーー!!?」」」
ZXはパンチ、キック、投げ技を次々と繰り出し、兵士チャップを薙ぎ倒していく。
「トーマ!私たちも戦おう!」
「ああ!いくぞリリィ!」
「「リアクト・オン!」」
トーマと少女『リリィ・シュトロゼック』の二人は融合する。
「モード黒騎士!」
<ディバイダー、セット!>
「よし!来い!」
「フッフッフッ……坊や、あたしがかわいがってあげるわぁ」
(女の人の声……!?怪人って男ってイメージが強かったけど、女の人もいるのか……)
リリィと融合したトーマは、カマキロイドと戦い始める。
「でえやっ!」
「フフフ……そんなんじゃあたしは斬れないよ」
「チィッ……!」
<トーマ!距離をとって!>
トーマはディバイダーでカマキロイドを斬りつけるが、カマキロイドは左腕の大鎌の刃でトーマの攻撃を防ぐ。攻撃を防がれたトーマはリリィに距離をとるよう言われて、カマキロイドとの距離をとる。
「今度はあたしの番よ。喰らいな!カマキロイドスパイラル!」
「! なんだこのガス……う!?」
カマキロイドの右腕から発射されたガスを吸い込んでしまうトーマは、直後に苦しみだし、両手両膝を地面につけてしまう。
「う……あ……あぁ……」
「トーマ!どうしたの!?」
「余所見とは余裕だなぁ、小娘!」
「! くうっ……!」
アイシスがトーマの容態をたずねようとするが、トカゲロイドの攻撃により、近づくことすらできない。
「わ、わからない……い、息が……できないん……だ……」
「フフフ……どおう?あたしのカマキロイドスパイラルのお味は?このガスは吸い込むとやがて窒息してしまうのよぉ〜」
カマキロイドが妖美な声でトーマにしゃべる。
「でも安心なさい。あなたは殺すなって言われてるから、ちゃーんと、生かしたまんまで連れていってあげるからね〜」
「む!いかん!」
ZXはカマキロイドがトーマに近づいていることに気づき、トーマを助けにいこうとする。
「ZX!いかせはせんぞ!」
「くっ!」
だが、ZXの前にシュバリアンが立ちはだかる。
「マイクロチェーン!」
「ぐああああ!!」
ZXはマイクロチェーンを取り出し、シュバリアンにチェーンを巻きつけ、チェーンから電流を流し、動きを止める。
「さあ、我らコスモデルザーと来るのだ!」
「う、うう……」
「トオッ! 電磁ナイフ!!」
「ギャアアアアアア!!」
トーマに近づいたカマキロイドを、ZXが駆けつけ、電磁ナイフでカマキロイドの右腕を斬り落とす。
「いくぞ!トオッ!」
ZXは素早い動きで、カマキロイド、アイシスと戦っているトカゲロイド、キャロと戦っているスカル魔スター、ウェンディと戦っているキューブリカンに飛び掛った。すると四体の怪人は、マイクロチェーンに絡められ、動きを止められていた。
「ぐうう……!」
「こ、これは……!」
「う、動けない……!」
「すごい……あのチェーンで敵の動きを止めている……!」
「まるで結界ッスね」
ZXのマイクロチェーンの結界に感心する、キャロとウェンディ。
「みんな、今だ!」
「あっ、はい!」
ZXの呼びかけに答えるアイシスたち。ライダーが作ったこのチャンス、逃すはずがない。
「黒の香(ブラックパフューム)3『ハミングバード』!」
「プラズマショット!シューーーート!」
「ヴァリアブルバレット、ファイア!」
―――ドゴオオオオオ!!
「「「「ギイアァァァァァァ!!?」」」」
―――ドガアアアアアアアン!!
アイシス、キャロ、ウェンディの一斉攻撃がカマキロイド、トカゲロイド、スカル魔スター、キューブリカンに命中し、怪人たちは断末魔をあげて爆散した。
「バ、バカな……!!」
「トオッ!」
「!?」
シュバリアンが上空を見上げると、ZXがZの文字のポーズをとり、赤く発光していた。
「ゼクロォォォォス!キイィィィィィック!!」
「グワアアアアアアア!!?」
―――ドガアアアアアン!!
シュバリアンはZXの必殺技『ZXキック』を受け、爆発した。
「はあ……はあ……あれっ、息ができるようになった……?」
「どうやら、カマキロイドを倒したことで、ガスの効果が切れたんだろう」
「あっ!え、え〜とその、助けてくれてありがとうございました!」
息ができるようになったトーマはZXに礼を言い、頭をペコりと下げる。
「なに、仲間を助け合うのは当然のことさ。9人ライダーの先輩にそう教えてもらったからね」
「え……あの、9人てどういうことなんですか?」
9人ライダーという言葉に引っかかったキャロがZXに聞く。
「ああ、そのことは話すと長くなるから、今は拘置所の内部のみんなを助けにいこう!」
「「「「了解!」」」」
ZXはトーマたちと共に拘置所内部のメンバーの援護に向かった。