仮面ライダーカブトGODSPEEDWITCHES
□Chapter1-2
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『緊急警報!緊急警報!横須賀にワーム出現!至急、外出中の市民の皆さんは避難してください!繰り返します…』
横須賀の港町に、サイレンの音と広報の必死の呼び掛けが響き渡る。市民たちは悲鳴をあげながら走りだし、近くの建物や住宅に避難する。
「グゥゥ〜…」
「キシャァァァ…!」
市民たちを歩きながらゆっくりと追いかける3体のサナギ体ワーム。するとワームたちの前に黒い塗装に塗られた車が3台止まり、車の中から右腕にマシンガンとブレードが一体化したガントレットを装備し、頭部は蟻を模したフルフェイスのマスクを装着した、ZECTの戦闘隊員『ゼクトルーパー』が数名降りてくる。
「目標捕捉、攻撃開始!」
『『『了解!』』』
ゼクトルーパーたちは右腕に装備した武器『マシンガンブレード』をワームに向け、チームのリーダーと思しき一人のゼクトルーパーが指示を飛ばし、ワームに向かって弾丸を発砲した。
3体のワームサナギ体にゼクトルーパーが放った弾丸の雨が降り注がれる。内2体は猛攻に耐えきれず、緑色の炎をあげて爆発し、倒されたが、残った1体のワームサナギ体の身体の色が突然緑色から赤色へと変色し始めた。それがどういうことか分かっているゼクトルーパーたちは青ざめる。
「まずい!『脱皮』するぞ!」
その言葉のとおり、ワームサナギ体の皮膚が剥がれ落ち、ワームサナギ体は水色の体に赤いまだら模様が特徴的な蜘蛛を模した成虫体『アラクネアワーム・ルボア』へと変異した。
「グルゥゥゥ…!」
シュンッ、と一瞬音を立てることなく、ゼクトルーパーたちの前から姿を消すアラクネアワーム・ルボア。辺りをキョロキョロと見渡すゼクトルーパーたちだったが、次の瞬間ゼクトルーパーたちは前から、横から、後ろからいきなり攻撃されて、あちらこちらに吹っ飛ぶ。このときゼクトルーパーたちは何をされたのか分かっていた。
『クロックアップ』……目にも止まらず、肉眼でも捉えきれない超高速移動。クロックアップを発動している者から見れば、周りはもはや『時が止まっている』ように見えるのだ。そのため、クロックアップの対抗手段を持たないゼクトルーパーたちは成すすべなく倒された。