仮面ライダー×ストライクウィッチーズ NOVEL大戦FLIGHT

□プロローグ
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サイバロイドZZZとなった怪盗アルティメットルパンや仮面ライダー鎧武と共闘しメガヘクスとの激闘を戦い抜いた久留間警察署の特状課の刑事、泊進之介。

ここのところ特に重加速現象(どんより)も事件も起きないため、退屈な日々を過ごしていた。もちろん、こんな状態では心のエンジンには火がつかないし、脳細胞もローの状態だ。

「はぁーあ。……あ、飛行機雲……」

草むらで寝転がりながら、好物のミルク飴を頬張っていると、晴天の青空に飛行機雲が駆けていた。

感傷に浸っていると、馴染みのある女性警官の声が聞こえてきた。

「泊さ〜ん!」
「やべっ!見つかっちまった!」

自身のお目付け役というはた迷惑な役割を持つ詩島霧子が手錠を引っ提げてこちらに向かってきた。

サボりがバレて捕まったらまたメンドくさい説教に付き合わされる。それを嫌がった進之介はすぐさま立ち上がってその場を離れようとするが……。

『……ねがい。……れか……した……たす……て……』
「っ!?今のは……?」
「どうかしたのかね?進之介」

赤いシフトカー、シフトスピードを介してベルトさんこと、ドライブドライバーが進之介に尋ねた。いつもの彼ならすぐに霧子から逃げるはずなのに、そうしようとしなかったからだ。

「へぇ〜。今日はやけに往生際が良いですね、泊さん」

こうして、簡単に霧子に追いつかれるのだが、今の進之介はそんなことを気にしてはいなかった。

「なあ霧子、ベルトさん。今、女の子の声が聞こえなかったか?」
「ん?」
「女の子の声、ですか?」
「ああ。とてもか弱い声だった」
「なんと言っていたのだね?」
「それが、喋っている言葉は断片的で、所々途切れていた……」
「……泊さん。そう言って嘘ついて私から逃げようって魂胆じゃありませんよね……?」
「嘘じゃない!ホントだって!」

霧子に疑われる進之介だが、そんな時、また声が聞こえてきた。

『お願い!誰か、私たちを助けて!!』
「! 今度ははっきり聞こえた!『私たちを助けて』って!」
「ふーむ……進之介。君が嘘を言ってるようには思えないが……生憎と私には何も聞こえないのだが」
「私も同じく」

進之介は驚愕する。確かに少女の声が直接頭に響いてきたにも関わらず、ベルトさんと霧子には聞こえていないというのだから。

「まさか……俺にしか聞こえないのか……?」
『久留間飛行機博物館……』
「えっ!?」
『お願い……そこに向かって。そこにいけば……』

少女の声はそこで途切れた。

「おい!どういうことなんだ!?久留間飛行機博物館に行けば、何がどうなるんだ!?」
「久留間飛行機博物館……確かそこには、昔の戦争で使われた旧日本軍の戦闘機などが展示されているはずだ」
「つい最近オープンした所ですね。で、それがどうかしたんですか?泊さん」
「……わりぃ霧子。説教なら後でたっぷり聞いてやる。俺は……その博物館に行ってくる!」
「泊さん!?突然何を……」
「……何となくだけど、そこに行かなくちゃいけない気がするんだ」

進之介はそう言って、久留間警察署地下の極秘のメンテナンスルームへと急いで足を運び、万能自動車トライドロンに乗り込むや否や、エンジンをかけて、地上に出る。ギアをNからDに入れて、目的地である久留間飛行機博物館へと急行した。
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