KAMENRIDER × STRIKEWITCHES
□第2話 ウィッチとウィザード
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仮面ライダーウィザード=操真晴人は、夢の中で出てきた空を飛ぶ少女たちとともに、黒い異形……ネウロイと戦っていた。
「はぁっ!であぁっ!」
ウィッチたちが魔力を込めた銃弾を放つ中、ウィザードHSはウィザーソードガンをソードモードにして、小型ネウロイを斬り落としていく。
「くそっ!数が多くて近づけない……!」
バルクホルンの言うとおり、ウィッチたちは大元である大型ネウロイを攻撃しようと向かうのだが、放出される小型ネウロイによって邪魔されて近づくことすらままならない。
(このままじゃ皆の持っている銃の弾が底をつきそうだな……なんとかしないと……ん?)
そのとき、ウィザードHSは立ち止まり、何故かは分からないが自然と赤色の指輪『フレイムドラゴンウィザードリング』を取り出していた。しかし、このフレイムドラゴンはハリケーンとハリケーンドラゴンと違い、空を飛ぶ能力は持っていない。(まあ少し浮くことはできるが)
それに今は空を飛ぶ少女たちとともに戦っている。空を飛ぶこともできないなら足を引っ張るのは当然のこと。だが、今のウィザードHSいや、晴人は『この指輪を使うべきだ』、あるいは『今のこの指輪の力ならいけるはずだ』の二つの意見が心の中で浮かんでいた。晴人はハリケーンウィザードリングを外し、左手の中指にフレイムドラゴンウィザードリングをはめた。
<シャバドゥビタッチヘーンシーン!フレイム!ドラゴン! ボー!ボー!ボーボーボー!>
ウィザードHSは炎に包まれながら、真紅のコートに龍の顔を模した鎧を装着し、仮面は三角型のエメラルドから胴体の鎧と同じく龍の顔を模したかのようなルビーの仮面へと変わった。これこそがウィザードの強化スタイルの一つ『仮面ライダーウィザード・フレイムドラゴンスタイル(以後FD)』である。
「!? ウィザードの姿が変わった!?」
「それに、さっきより魔力が上がってる!?」
(やっぱり、思ったとおりだ。何でか分からないけど、このスタイルでも空を飛べる……これなら!)
驚くエーリカと芳佳。さらに晴人も驚くと同時に自分の思惑どおりにいったことに喜んでいた。
「これだけじゃないさ。驚くのはここからだ!」
ウィザードFDは右手にコネクトの指輪をはめ、ハンドオーサーを右に傾かせ、右手をかざす。
<コネクト・プリーズ!>
現れた魔法陣に左手を突っ込み、そこから自身のブレス型の魔道具『ドラゴタイマー』を取り出し、それを右腕に装着する。
<ドラゴタイム!>
さらにウィザードFDは中心部についている指針付きの回転盤ドラゴダイアルを反時計回りに回して指針を火のエレメントにあわせる。
<セットアップ!>
ドラゴタイマーの音声コールが発声されると、ウィザードFDはハンドオーサーに似た手形状の意匠を備えた親指部分の形をしたサムズエンカウンターを押す。
<スタート!>
「はっ!」
ウィザードFDはウィザーソードガンを構えて、芳佳、リーネ、静夏のチームのところへ向かい、小型ネウロイを斬り倒していく。
「ウィザードさん!?」
「……よし!」
ウィザードFDは指針が水のエレメントに合わさったのを見て、サムズエンカウンターを押す。
<ウォータードラゴーン!>
「はぁっ!せあっ!」
「うわっと!?」
「な、なんですの!?」
「ウィザードさんが、もう一人……?」
エイラ、ペリーヌ、サーニャのチームには青い魔法陣が出現し、さらにそこから青いコートとサファイアの龍の仮面の姿のスタイル『仮面ライダーウィザード・ウォータードラゴンスタイル(以後WD)』が現れ、ウィザーソードガン・ソードモードで小型ネウロイを切り裂いた。
「次だ!」
<ハリケーンドラゴーン!>
指針が風のエレメントに合わさり、サムズエンカウンターを押すウィザードFD。
「はぁっ!たあっ!」
「うわ!?ウィザードがまた一人でてきたよ!?」
「これって、さっきのエメラルドの姿……?」
「いや、さっきのに比べて大分強そうな感じがするな」
エーリカ、ミーナ、バルクホルンのチームに緑色の魔法陣が出現し、そこから緑のコートに、エメラルドの龍の仮面の姿をしたスタイル『仮面ライダーウィザード・ハリケーンドラゴンスタイル(以後HD)』が現れ、逆手で持ったウィザーソードガン・ソードモードで小型ネウロイを切り裂いた。
<ランドドラゴーン!>
指針が土のエレメントに合わさり、ウィザードFDはサムズエンカウンターを押す。
「ふんっ!はあぁっ!」
「うじゃー!?」
「今度は黄色のウィザード!?」
ルッキーニとシャーリーのペアの所に、黄色の魔法陣が現れ、さらに魔法陣から黄色のコート、黄色の四角型の宝石の龍の仮面の姿をしたスタイル『仮面ライダーウィザード・ランドドラゴンスタイル(以後RD)』が出現し、ウィザーソードガン・ガンモードで小型ネウロイの群れを撃ち落していく。
「すっごーい!ウィザードが4人に増えたぁー!」
「お前、中々面白い奴だな。気に入ったぜ」
「そりゃどうも。さて、それじゃあ突破口を開くか」
ウィザードRDの言葉を筆頭に、4人のウィザードは先行して小型ネウロイの大群を蹴散らしていく。後ろから11人のウィッチたちが続き、次第に大型ネウロイとの距離はかなり近くなっていた。
「はっ!」
「おぉぉぉぉ!」
ウィザードRDが弾丸を撃ち、ウィザードWDが剣で大型ネウロイの装甲を切りつける。
「こいつ、でかいだけあって堅いな……!」
「あの、ウィザードさん。ネウロイには『核(コア)』があるんです」
「コア?」
「簡単に言えば、私たち人間でいう心臓みたいなものです。ネウロイの体内にあるコアさえ破壊できれば、ネウロイを撃墜することができるんです」
「なるほど。で、そのコアはどうやってあぶりだせばいい?」
「とにかくひたすら攻撃してください。本当なら、もっと楽にコアを見つける方法があるんですが……」
「? まあ、なににせよ、攻撃の手を緩めるな、ってことだろ?」
「「はい!」」
「オーケー。アドバイスありがとう!」
ウィザードFDは芳佳とリーネのアドバイスを聞き、攻撃を再開する。他のウィッチたちも大型ネウロイに攻撃を加えていた。
「一発大きいの、お見舞いしてやるか!」
<キャモナ・シューティング・シェイクハーンズ! フレイムドラゴン!シューティングストライク!ボーボーボー!ボーボーボー!>
「はあーーーっ!」
―――ドゴオオオオオン!
ウィザードFDの放った炎の銃弾が大型ネウロイに命中した。爆発と煙が晴れると、大型ネウロイの装甲の一部分が剥がされ、よく見ると赤く輝く大きな宝石のようなものがあった。
「ん?あれは一体……」
「ウィザード!あれがネウロイのコアだ!あれさえ壊せば、ネウロイは消滅する!」
「なるほど、あれがそうか!」
バルクホルンからアドバイスを受けたウィザードFD。他のウィッチたちは小型ネウロイの大群のせいで中々コアに近づけないでいた。
「となると、今もっとも攻撃のチャンスに恵まれてるのは俺か。それなら、フィナーレだ!」
4人のウィザードは右手に『キックストライク』の指輪をはめ、ドライバーのハンドオーサーを右に傾け、右手をかざす。
<ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!チョーイイネ!キックストライク!サイコー!>
音声コールが発声されると、ウィザードFDの足元には赤い魔法陣、WDには青い魔法陣、HDには緑の魔法陣、RDには黄色の魔法陣が出現し、それぞれ右足に炎、水、風、土の力を纏う。
「はぁっ!」
「「「「てやあぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
4人のウィザードはそれぞれのエレメントの力を纏った必殺のキック技『ストライクウィザード』を一斉に大型ネウロイのコアにぶつけ、ネウロイは白い結晶となって消滅した。
「ふぃ〜」
「すっげぇ〜……」
「まさか飛び蹴りでネウロイを倒すとはな……」
感心するシャーリーとバルクホルン。同時に、ウィザードWD、HD、RDの三体は消滅した。
「あっ!三人のウィザードが消えたよ!?」
「あれも分身にしか過ぎないのね……と、」
戦闘を終え、ミーナはウィザードFDに近づく。他のウィッチたちもそれに続く。
「仮面ライダーウィザードさん……で、よろしかったかしら?」
「ああ」
「今回の戦闘での協力、感謝します。ですが、あなたも私たちと同じように魔法を使って戦うようですが、あなたが使う魔法は、はっきり言って見たことも聞いたこともありません。なので、あなたは重点的な取調べが必要になると思われるので、我々とともにご同行願えますか?」
「それならかまわないさ。俺もこの世界に連れてこられて何がなんだかさっぱりなんだ。色々教えてくれると助かる」
「(この世界……?)では、我々のあとについてきてください」
「了解」
ウィザードFDは501のウィッチたちとともに、基地へと向かった。
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