サヴァイヴ夢長編
□第5章
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次の日・・・
さっそくルナ達は畑に芋の種を植えて栽培を開始していた・・。
そして余った魚は日干しにして一段落がついた頃・・・。
メノリ「ふぅ・・終わったぞ・・!芋が順調に栽培できれば・・少しは楽になるな・・!」
ルナ「うん・・!」
ハワード「ふぅ〜疲れたぁ・・・」
シンゴ「ルナ〜!ちょっと休憩しようよ・・!」
ルナ「そうね・・!みんな!ちょっと休もう・・!」
その時・・・
ドゴン!・・ドゴン・・!
ハワード「え・・?なんだぁ?うわぁ・・・!?」
ハワードが背もたれにしていた柵の後ろにはなんと・・オオトカゲがいたのだ・・。
トカゲ「ガァア!」
ハワード「ひぃい!!・・パパァア〜!!」
ルナ「ハワード・・!危ない・・!」
しかしオオトカゲはハワードより先に干してある魚に目をつけた・・。
ルナ「ハワード・・!今のうちよ!入って!」
ハワード「あ・・・あぁ・・!!」
ジン「・・・こりゃあまずいことになったな・・・;」
なんとかみんなの家に入り登ってきたハワード。
ハワード「ハァ・・・ハァ・・た、助かった〜」
ジン「ここまでくればオオトカゲも登っては来れないさ・・・ひとまず様子を見よう・・」
ルナ「そうね・・!」
しかし安堵の時間も束の間。
戻ってきたカオルがオオトカゲを刺激し、一騎打ちの状態になってしまったのだ・・。
トカゲ「グアァ〜・・!」
カオル「なっ・・!ふっ・・!」
カオルはオオトカゲの攻撃をギリギリでかわして反撃を当てたが・・大したダメージはなく・・そのままカオルの腕に爪を立てた・・。
カオル「っぐ・・・!」
ルナ「カオル・・・!」
カオル「ぐ・・う・・ぁ・・・」
カオルは痛みで膝をついてしまった。
ルナ「っく・・・」
ジン「ルナ・・!今降りたら・・!」
ルナ「こっちよー!!」
ルナは家の入口からオオトカゲを挑発し・・その隙にカオルはオオトカゲに石槍を刺した・・。
トカゲ「ゴアァ・・・!」
ルナ「カオル・・!早く・・・!」
カオル「っく・・・!」
こうしてなんとかカオルは無事にみんなの家に上った。
ハワード「またスタンドプレイかよ・・!」
シンゴ「一人じゃ無理だよ・・・!」
メノリ「ルナまで危ない目に合わせた・・そればかりか・・トカゲは当分この家に居座るぞ・・・!」
ハワード「お前のせいだ・・!」
シャアラ「・・・でも無事で良かった・・!」
ルナ「手当しないと・・・」
カオル「・・・っく・・・大丈夫だ・・!」
ルナ「・・・・ッカオル・・!!」
ルナはハンカチをちぎりカオルの腕を巻いた。
ルナ「無茶よ・・倒せる相手じゃないわ・・」
カオル「・・・俺の勝手だ・・・」
ルナ「・・・ッバカァ!・・命は大切にしないとダメよ・・!ひとりで生きてきたと思ったら・・大間違いなんだから・・・!」
ジン「・・・ルナ・・・・」
チャコ「・・・・・・」
メノリ「・・・・やっぱりトカゲは居座る気だ・・・」
シンゴ「ルナ・・・!」
ハワード「どうするんだよ・・・あいつ・・・!」
ルナ「退治するしか・・・なさそうね・・・」
メノリ「退治って・・・怪我では済まないぞ・・・!」
ジン「おれとベルも・・それしかないと思ってるんだが・・」
ベル「ああ・・・!」
ルナ「今日は帰っても・・あの怪物・・きっとまた来るわ・・・!」
メノリ「・・・いつかは退治しないといけない時がくる・・・か・・」
そしてオオトカゲ退治作戦が決行して時は夕方へ・・・。
ハワード「ほんとにこんなんで大丈夫なのか・・?」
ルナ「やってみましょ・・・!」
作戦が始まり・・ルナ達は見事にオオトカゲを吊り上げて・・湖に落とすのに成功した・・・が・・。
シンゴ「う、うわぁ・・!」
ルナ「シンゴ・・!」
オオトカゲと一緒にシンゴも湖に落ちてしまった・・。
ジン(まずいぞ・・・あのトカゲ・・・もし泳げたら・・!)
シンゴ「ぷはぁ!・・・おーい・・!」
ハワード「やったぁ!!やったぞー!」
シャアラ「やったわね・・・!」
全員が喜びの声を上げる中・・・。
ジン「まだだ・・!シンゴ・・!そこから離れろ!!早く!!」
珍しく焦っているジンを見て周りも動揺を始める・・。
シンゴ「え・・・う・・うん・・!」
シンゴはとりあえずジンの言うとおり元落ちた場所から泳いで離れていった。
トカゲ「グアァ!!」
シンゴ「うわぁ!!」
ハワード「トカゲが・・!」
シャアラ「シンゴ・・!逃げて〜!」
メノリ(ジンはこれを警戒していたのか・・・もしもシンゴがあのままずっとあそこにいたら・・・逃げ切る余裕はなかった・・・)
ルナ「シンゴ・・!っふ・・!」
ルナは湖の中に入りオオトカゲに食事用の木製の皿を投げつけた。
ルナ「食べるなら・・私を食べなさい・・!!」
ジン「ルナ・・!!何をやっているんだ・・!!くそ・・!!」
カオル「・・・あいつ・・・」
カオルは石槍を持って木の上に移り、ジンはルナを追って湖の中へ入った。
ルナ「え・・!?」
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ルナ(石槍は・・右・・!)
ルナは急いで後ろの石槍を拾ってオオトカゲの口に刺した。
しかし石槍の木の部分が耐え切れなくなり・・石槍は折れてしまった。
ジン「ルナ・・!下がれ・・!」
ルナ「え・・!お兄ちゃん・・!!」
ジンはルナの前に立ちオオトカゲの頭に重い蹴りを入れた・・。
ドゴン!!
ルナ「お兄・・ちゃん・・・」
そしてオオトカゲが蹴りの勢いで後ろに仰け反った時・・カオルが上から石槍を刺した・・・。
トカゲ「ゴ・・アァ・・!」
ザパーン・・!
オオトカゲはそのまま湖の奥底へ沈んでいった・・。
カオル「ルナ・・おまえってやつは・・・」
ルナ「・・・お兄ちゃん・・・カオル・・ありがと・・・」
ジン「ルナ・・・!・・ったく・・」
ルナは安心したようにジンにもたれかかった。
そして湖から上がったカオルとルナ、ジン、そしてシンゴ。
シャアラ「ルナ・・!大丈夫!?」
ルナ「・・・ええ・・」
ハワード「ったく・・心配かけさせやがって・・」
ベル「カオル・・・」
メノリ「お前達が行ってくれなかったら・・・ルナは・・今頃・・」
カオル「・・・一番無茶しているのは誰だ・・・っふ・・」
ルナ「・・カオル・・・」
ジン以外の全員は、その時のカオルの優しい表情に驚きを隠せなかった・・。
チャコ「・・にしても・・ジンはいつの間にあんな体術を身につけとったんや・・・」
ジン(・・・いつかは・・おれも言わないといけないかもな・・・)
ジン「ん・・?まあ・・やってみたら案外効いただけさ・・;」
そしていつもどおりの夕食が始まった・・。
ハワード「あはは!またかよルナ・・・で?今度はなんて聞こえたんだ・・?」
ルナ「石槍は・・右だ・・って・・・」
シャアラ「・・ルナが聞こえたって言うんだから・・本当なのよ・・・」
ハワード「ロマンチックなやつらだな〜」
チャコ「野暮なハワードには、一生聞こえんっちゅうやつや・・!」
ハワード「なにぃ!?」
全員が暖かい雰囲気で笑っている中・・カオルも後ろで笑っていた・・・。
シンゴ「そろそろ・・いいかな・・?」
ルナ「そうね・・!食べましょ・・!」
ハワード「っけ。あれだけ魚や肉があったのに・・結局芋だけかよ・・」
ルナ「美味しそうじゃない〜!」
チャコ「文句ある奴は喰わんでええ!」
ハワード「べ、別に文句なんて言ってないだろ・・!」
ルナ「よおし・・それじゃ・・!」
全員「いっただっきまーす!」
カオル「・・・俺もいただこう・・」
ルナ「・・・うん・・!」
ジン「ボソッ・・・カオル・・伝わったか・・?」
カオル「ああ・・充分すぎるほどにな・・・」
ジン「っふ・・・そうか・・!」