サヴァイヴ夢長編

□第7章
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ハワード「偉い・・・!流石カオルだ・・・!期待してるぞ・・・!」

ルナ「ハワード・・・!・・・もうすぐ暗くなるのよ・・・?」

カオル「それまでには帰ってくる・・・。」

ジン「・・・・・・・。」

ルナ「約束よ・・・?」

シャアラ「気をつけて・・・・。」

カオル「・・・・・。」

カオルはそのまま外へ出ていった・・・。

そして数時間後・・・・。

ルナ達は・・・・。

ハワード「なぁ・・・もう食べようぜ〜・・・?」

メノリ「ダメだ、カオルが帰ってきてからだ。」

ハワード「あぁもぅ・・・あいつ何やってんだよ・・・;」

シャアラ「ハワードったら・・・。期待してるぞとか言って送り出したくせに・・・。」

ハワード「そりゃそうだけど、飯の時間に遅れていいとは言ってないぞ・・・。」

ルナ「私、行ってくる・・・!」

ベル「俺も行こう・・・!ぅぐ・・・!」

ルナ「無理よ・・・足をくじいてるんでしょ・・・?」

ベル「大丈夫だ・・・!」

ルナ「ううん・・・!私一人で行ってくる・・・!皆は先に食べていて・・・!」

ジン「・・・・・・・。」

ベル「念の為に・・・火種と油を持っていった方がいい・・・。」

ルナ「・・・・うん・・・。」

シャアラ「ルナ・・・これ・・・持って行って・・・!」

シャアラはそう言って食料をルナに渡した・・・。

ルナ「うん・・・!ありがとシャアラ・・・!それじゃあ・・・」

ジン「待て・・・ルナ・・・。」

ルナ「え・・・?」

ジン「俺が行くよ・・・。ルナはここに残っていてくれ・・・。」

ルナ「ぇ・・・私は平気だから・・・お兄ちゃんは休んでて・・・?」

ジン「お前が一人で何かをしに行く時は・・・良い予感がしないんだ・・・。」

ルナ「・・・・お兄ちゃん・・・。」

ジン「・・・・はぁ・・・;って言っても聞かないだろうな・・・;なら、せめてでも俺はついて行かせてもらうぞ・・・?」

ルナ「ぁ・・・・うん・・・・・!」

その後二人はカオルを探すために外へ出ていった・・・。

数時間後・・・カオルは・・・。

カオル「・・・・・・・。」

何と崖と崖の間にある小さな足場にいた・・・。とてもじゃないが助かるような場所ではなかった・・・。

カオル「・・・・ついに・・・俺の番が来たようだな・・・・ルイ・・・。」

その時・・・。

ルナ「カオル・・・・カオル・・・!!」

カオル「ぁ・・・・!」

ジン「ふぅ・・・;こりゃ探しに来て正解だったな・・・;」

カオル「ルナ・・・ジン・・・!」

ジン「とりあえず、そこの木に縄を巻きつけて下に降ろそう。」

ルナ「うん・・・!」

ジン「よし・・・!カオル、捕まるんだ・・・!」

カオル「あぁ・・・!」

そしてカオルは無事に上に登った・・・。

ルナ「やったぁ・・・!」

カオル「・・・何故来た・・・」

ルナ「何故・・・?決まってるでしょ・・!カオルを探しに来たのよ・・・!」

カオル「二重遭難の危険もあった・・・!」

ルナ「あのねぇ・・・!うわぁ・・・!」

ルナは立ち上がろうとしたがそのせいで風の勢いを後ろから受けてしまい崖に落ちそうになった・・・。

ジン「ルナ・・・!」

ジンは間一髪でルナの手を引っ張り助け出すことに成功した・・・。

ジン「だからルナには行かせたくなかったんだよ・・・・;」

ルナ「・・・・・ぁ・・・・」

ルナは下を見た瞬間あまりの崖の恐ろしさ、そしてついさっきまでの自分の行動がどれだけ危なかったかを理解した・・・。

ジンはルナの目を手で覆った・・・。

ジン「・・・・戻ろう・・・。」

ルナ「ぁ・・・・・うん・・・。」

カオル「・・・・・はぁ・・・;」

そして少年少女帰宅中〜。

ルナ「・・・・あんなところに・・・・あんな大きな裂け目があったなんてね・・・・。」

カオル「・・・・・。」

ジン「この雪の量じゃあ走っただけでその裂け目に衝撃が走って落ちることだってある・・・。カオルの場合もおそらくそうだろ・・・?雪が裂け目の上に少し被さって分からなくなっていたんだ・・・。」

カオル「あぁ・・・。」

ジン「でもまぁ・・・やっぱり冬の単独行動は危険だな・・・。特にルナの・・・;」

ルナ「うぅ〜・・・;カオルのせいだよ・・・;」

カオル「・・・・すまん・・・;」

ジン「ん・・・?崖・・・か・・・。どこか休憩できる場所を探そう。」

ルナ「そうね・・・。」

そしてその頃ベル達は・・・。

ベル「やっぱり、行ってくる・・・!」

シンゴ「この吹雪の中を・・・!?」

ハワード「止めとけよ・・・・;」

チャコ「ベル・・!う、ウチも一緒に行く・・・!」

メノリ「ダメだ・・・!ここで誰かが探しに行けば・・・また遭難してしまう危険がある・・・。」

メノリ「ルナ達を心配する気持ちは分かる・・・。だがみすみす危険な目にあわせるわけにもいかない・・・。」

チャコ「メノリ・・・。」

メノリ「それにジン自身・・・私に皆が探しに行く様子が見えたらすぐに止めるよう言われている・・・。」

チャコ「ジンもルナも・・・ウチの・・・たった二人だけの家族や・・・・。」

メノリ「チャコ・・・・。すまない・・・・明日の朝まで・・・待ってくれ・・・・」

そしてその頃ジン達は休憩できる洞窟を見つけ出し暖まっていた・・・。

カオル「・・・よく火種など持ってきたな・・・。」

ルナ「ベルが・・・持っていった方が・・・良いって・・・。それと・・・これ・・・。シャアラが・・・。」

そう言ってルナはシャアラが用意してくれた食料を差し出した・・・。

ジン「・・・・・・。」

ルナ「シャアラが・・・ね・・。とてもショックを受けていたわ・・・・。」

カオル「話したのか・・・?」

ルナ「私が聞いたの・・・。シャアラの様子が・・・ちょっとおかしかったから・・・。私は・・・カオルがそんなことするはずないって信じてる・・・。もしそうだとしても・・・きっと何か・・・深いわけがあったんだと思う・・・。」

カオル「・・・・そんなものないさ・・・。俺が殺したんだ・・・・。」

ジン「・・・・・ッ・・・!」

ジン(殺した・・・だと・・・。そうか・・・。おまえも・・・・)

カオル「ROCA A-2の宇宙ステーションに俺は住んでいた・・・。そこで、宇宙飛行士になるための訓練を受けていた・・・。最初の年で・・・160人いた生徒達が・・翌年後半分に・・・さらに翌年後もう半分になり・・・最終学年の時には10人になっていたんだ・・・。俺は奴・・ルイが嫌いだった・・・。涼しい顔で全て完璧にこなしながら弱者への救済を忘れない・・・。道徳心に満ち溢れたような暑苦しい笑顔も嫌いだった・・。」

ジン「・・・・・・。」

カオル「時々奴が見せる励ましは・・・点を稼ぐための演技だと思っていた・・・。だからいつかその化けの皮を剥いでやるつもりだった・・・。だが・・・奴は完璧だった・・・。」

そしてカオルは・・・ルイが何故死んでしまったかを説明した・・・。

カオル「学園では・・・俺がライバルを蹴落とす為にわざとやったことじゃないのかと・・・噂になった・・・。言い訳も何もしたくなかった・・・。俺は訓練学校を去ることにした・・・。あいつは・・・今でも宇宙の闇の中で彷徨っている・・・。永遠にな・・・。あいつを殺した俺が・・光の中に居ていいはずがない・・・。」

ルナ「・・・カオルが殺したんじゃないわ・・・。」

カオル「あの時ルイが操縦していたら助かっていたかもしれない・・・。俺のつまらない意地があいつを殺したんだ・・・。」

ルナ「でも・・・でも、そのルイって子の手を・・わざと話したわけじゃないでしょ・・・?」

カオル「俺はそんな卑怯な真似だけは絶対にしない・・・!・・・だが時々・・・どうしようもなく変な考えが浮かんでしまう・・。あの時・・・何でもっとしっかり掴んでやることができなかったんだって・・・。もしかしたら・・・俺は無意識のうちに手を緩めて・・・!」

ルナ「・・・・カオル・・・・。」

カオルは珍しく涙を見せた・・・・。

ジン「・・・人を殺めたとして・・・。もし・・・カオルがそのルイを殺めてしまったんだとしても・・・。そこまで後悔する人間が闇に埋もれるのは間違いだ・・・。俺はそう思う・・・。」

カオル「・・・・・ッ・・・!」

ジン「もしもカオルが今でも闇に埋もれているなら・・・俺が光の中へ・・・引っ張り出してみせるさ・・・!」

ルナ「お兄ちゃん・・・・!」

カオル「ジン・・・・。」

ジン「それに・・・俺も同じようなところにいた・・・。今のカオルと・・・同じようなところに・・・。」

カオル「何・・・・?」

ルナ「ぇ・・・?」

ジン「でも、今は違う・・・。俺はその地獄から手を差し伸べられ・・・。救ってもらった・・・。だから今度は・・・俺が救う番だ・・・!」

カオル「・・・・・!ルイ・・・」

カオル(そうか・・・。俺は・・・いつもジンに・・・ルイの姿を重ねていた・・・・。全てを完璧にこなし・・・周りから人望も厚いジンに・・・。)

ルナ(・・・お兄ちゃんの悩みの事に関係してるのかな・・・・。)

そして次の日・・・・。

ルナ「縄が無くなってる・・・!」

カオル「素手で登るしかないな・・・。」

ジン「ルナ、俺の先に行きなさい・・・;」

ルナ「・・・・はぃ・・・;」

そうしてジン達は崖を登り始め・・・先頭のカオルは頂上に登りつめた・・・。

しかし・・・。

ルナ「・・・・もう少し・・・。ぁ・・・!」

何とカオルとルナが登りきった瞬間、二人の足場が崩れたのだ・・・。

ジン「何・・・!?」

カオル「・・・・っぐ・・・!」

カオルは片手だけを頼りに頂上に引っ掛け・・・何とかもう片方の手でルナを掴んでいた・・・。

ルナ「ぁ・・・・・カオル・・・・。」

しかしルナの手は少しづつカオルの手から滑り落ちそうになっていく・・・。

ジン「・・・・・ルナ・・・!」

カオル「・・・・放すな・・・よ・・・!」

ジン「・・・ったく・・・。今から引き上げる・・・・。」

カオル「ジン・・・・・。」

ルナ「お兄ちゃん・・・・。」

ジンはいつの間にか頂上まで登っていた・・・。

そうしてジンはルナとカオルを引き上げた・・・・。

ルナ「はぁ・・・はぁ・・・・1つだけ聞いていい・・・?」

カオル「・・・・何だ・・・?」

ルナ「ルイは最後に・・・何て言ったの・・・?」

カオル「さぁな・・・。今でも、時折考えるが・・・。」

ルナ「もしかして・・・生きろって言ったんじゃないのかな・・・・。」

カオル「ぇ・・・・。」

ジン「ルナ・・・・それは・・・・!」」

ルナ「うん・・・・。私達のお父さんが・・・最後にそう言って・・・私達を助けるために・・・死んでいったの・・・。だから・・・・。」
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