らんま1/2

□聖夜の夜は… 【Side:Ranma】
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「はぁ〜」

俺は1人部屋に戻って深いため息。

手元には会長が置いていった激ミニサンタの衣裳が入った紙袋。

チラッと中身取り出して見たが、激ミニっつーか、露出度高いだろこれ。

肩から腕は丸出し。

ヘソの部分だってご丁寧に穴あけてやがる。

これじゃケーキ屋の販売員っつーより、いかがわしい店のキャッチセールスだぜ。



「俺は男だぞ…」



なんて1人ため息混じりにぼやいてた時だ。



「乱馬〜。ちょっといい?」

「あかね?…ちょ、ちょっと待て!」



部屋の外からあかねの声がして慌てて衣裳の入った紙袋を押し入れに隠す。

あんなもん見つかったらますます変態扱いされるっつーの。

どうにか押し込んで、素早く引き戸を開ける。

やべー。

急に開けられてたらアウトだったぜ。



「どうしたあかね?何か用か?」

「えっと、別に大した用じゃないんだけどね。ちょっとだけお邪魔してもいい?」

「え?あ〜、別にいいけど…」

「おじさまは?」

「おじさんと一緒に寄り合いに行くとか言ってたけど」

「そっか…」



顔を赤く染めたあかねが俯く。

ちょっとだけ上目使いで尋ねてきやがるから、いつもよりなんだか…。



「…あ、あかね?」



どうかしたのかと声をかけると、あかねが突然俺の腰に抱きついてくる。

あまりにも突然過ぎて、思考回路がおいつかねぇ。

しばらくすると、今度は腕に縋り付いてくる。

肩に手まで回してきて…。


顔の赤いあかね。

俺の部屋。

親父はいねぇ。

お袋もいねぇ。

2人きり。



「あ、あかね…」

「…え?…きゃっ!!」



こ、ここはやっぱ、男の俺がリードすべき…なんだよな?

ぎゅっとあかねを抱きしめて、敷いた布団の上にあかねを寝かす。

あかねの上には俺。

俺の下にはあかね。

あかねの下には布団。



「い、いいかな…」

「ちょっ、ちょっと待って乱っ」

「待てねぇ」

「ちょっ馬鹿!」

「あかね…」

「だかっ…待てって言ってんでしょーが!!」

「なんでえええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」



グッとあかねを抱きしめて、柔らかい唇に俺のソレを重ねようとした時だ。

あかねの拳が油断してた俺にクリーンヒット!!

俺は空の彼方へと飛ばされていったのだった。




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