らんま1/2

□薬指にくちづけを
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季節は冬。

俺が18歳になって、法律的にも問題なく結婚が出来るようになって早数ヶ月。

あかねは今、俺の隣で白無垢を着て笑ってる。

その笑顔にドキドキさせられつつも、俺も素直に笑った。

俺達はまだ高校生。

卒業まではもうちょい先。

それでも俺達は、今日結婚式をあげる。

少しだけ目を潤ませているあかねに、俺はそっとキスをした。









結婚式は夜遅くまで続いた。

天道道場で行われた二次会はかなりの盛り上がりをみせ、親父もおじさ…じゃねぇな、もう入籍もしたんだし、お、おおおおお、お、お義父さん…だよな。

呼び慣れねぇから、なんか、緊張すんな…。

えっと、だから、その、親父もお義父さんも、酔っ払ってもう道場ん中で横になって寝ちまってる。

それを介抱してたおふくろやかすみさんも、何だか嬉しそうにしてたし。

なびきは事あるごとに写真撮りまくってたし。

ネガごと買い取れっかな?

いくら吹っかけられんのかと思うと、ちょっと頭が痛い。

結婚式は恙無く終わったのかというと、まぁ例の如くお邪魔虫がわんさか現れて無事にというには語弊がある気はするが…。

それでもまぁ何とか終わった。

これもまぁ、俺達らしいんじゃないかなって思う。

俺とあかねはすっかりいつものスタイルに戻って、今は2人で屋根の上。

寒そうに凍えるあかねを背中から抱くように座ってる。

あかねが俺に体重を預けるようにしてくるから、俺もあかねを屋根から落とさねぇように強く抱きしめる。

あかねの体はあったかくて、冬だっていうのに、ちっとも寒さを感じねぇ。

あかねは、さっきからずっと左手を見つめてる。


「ふふっ」

「…あかね?」

「なんかさぁ。本当に乱馬と結婚したんだなぁって…」


あかねの左手の薬指。

そこに輝くのは、キラキラと月明かりを反射してる俺達の結婚指輪。

俺は、自分の左手をあかねの左手の指に絡ませるように握る。

俺の左手薬指にも、あかねと同じようにキラキラ月明かりを反射する結婚指輪。

くすぐったそうにあかねが笑うから、俺も笑っちまう。


「へへっ。何か、恥ずかしいね」

「そっか?俺は嬉しいけど。あかねは俺のもんだって証だろ?」

「何言ってんのよ。乱馬が私のものなんじゃない」

「何言ってんでぃ。あかねが俺のものだろ?」

「乱馬が私のものなのよ」

「…ったく、かわいくねぇなぁ」

「何よ変態!」


あかねは拗ねたように顔を逸らしちまう。

結局結婚してもいつもの小競り合いはしちまうんだよな。

それでも、あかねを抱きしめた腕は離さねぇ。

ってか、離せねぇ。

俺はそっとあかねの左手を引き寄せて、薬指に光る指輪に口づけを落とした。

あかねは頬を赤くして俺を見てる。


「…乱、馬?」

「あかねはそんな変態な俺が好きなんだろ?」

「な、何よ!乱馬だってかわいくない私が好きなんでしょ?」


俺から目を逸らそうとするあかねを、ぐいっと俺に向かせる。

俺から目を逸らすなんて許してやんねぇ。

せめて今日だけは素直になろうって決めたんだからな。


「好きだよ、あかねが好きだ」

「…乱馬」

「だから、一生賭けてわからせてやる。あかねは俺のもんだってな」

「…バカ」


頬を赤く染めたまま笑うあかねに、俺はそっとキスをする。

段々深くなるそれに応えるように、あかねが俺の首に腕を回す。

俺達を見てる月明かりからあかねを隠すように、俺は強くあかねを抱きしめた。





END



私たち結婚しました



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