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□マンションの中ってさ。
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しばらくして
マンションに着いた。

引っ越し業者のトラックも
無事に着いたようで荷物を
トラックから運び出していた。

不意に明からありがとう、と
お礼を言われ少し吃驚した。

…なぜかって?
…言ってくれなさそうだったからだよ。

明はマンションの前の庭で
誰かと喋っている。
すると喋っていた人が
俺のところまで歩いてきた。

その人は管理人の
菊比古さんだった。

「二日振り、ですね。えーと、確か…
 小鳥遊 陽向さんですよね。」
「あ、はい。そうです。」

「男性の方が来てくれて
 とても嬉しいわ。
 このマンション男性が
 二人しかいなかったから。」
「えっ、そうなんですか?」

そうなのーと少し困った顔を
しながら言う。

「もう少し増えてくれると
 いいんだけどねぇ…
 まぁそれは置いといて、
 頼もしい住人ばかりなので
 すぐ仲良くなれますよ。」

「…そうですね。
 さっき明と仲良なれましたし。
 …菊比古さん、これから
 宜しくお願いします。」

こちらこそ、と言われて
菊比古さんとはそれでわかれた。


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