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□― Maison de voix ―
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ここは
Maison de voix
(メゾンドボイス)。

私が住んでいるマンションだ。


普通のマンションとは
違っていて…まぁなんだ、
とにかく何かが違うマンションだと
思ってくれればいい。

後々分かってくるはず。


このマンションは
立地はいいし(近くの駅まで徒歩5分!)、
高級感溢れてるのに家賃は安いし
セキュリティーも完璧。

さらに部屋も広い。
あ、でも書類審査、面接とか
もろもろしないと入れない。

人によっては条件が厳しい、
何だ、普通じゃんてなると思う。

そして中学生〜社会人までと
年齢も幅広い。

私は一人暮らし。…何でかって?
…気にしたら負けだと
思いなさい。(ニコリ

取り敢えず、マンションの紹介は
此処までにしておく。


あ。そういえば、自己紹介が
まだだったね。
私の名前は、樂。
高校生だお(^ω^)
じゃあまた。
私、学校行かなきゃ。



________


そう言って彼女は走り去った。
何だか放っておけないような
何とも言い難い面白い子だなと
クスリと笑った。

ふと地面を見ると、
一枚の紙が落ちていた。

「…何だ、この紙…」

その紙を拾うと
“入居願”と印刷されており
何故入りたいのか、
住所、氏名、電話番号…
その他もろもろ書いてあった。

俺はこの用紙を手に、
まだ入居出来るかは分からないが

「…此処にするか。」

と呟き、歩き出した。
俺の、…自宅警備員になるという
夢が叶いますように。と。





――日々の喧騒から逃れたい方
自由気ままに過ごしたい方、
御入居お待ちしております。
         管理人:菊比古






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