★びっぽBOOK

□"恋のおわり"
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彼女と別れてから、1人ジニョンは考えていた

あの話し方
'俺に言いにくい事?…だよな、きっと'

ここで想像したって意味はない
シヌに会いに行こう

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マネージャーにシヌのスケジュールを確認して、現場に向かった

もう夜も遅い
今日最後の仕事が終わるのを待って、シヌに声を掛けた

「お疲れさま」
「ジニョン、迎えに来てくれた…んじゃないよね?」
'うん'と答える
'そっか…'シヌの表情が曇る

落ち着いて話せる場所が思い付かず、近くのホテルに部屋を取った

2人はソファーに座ると、シヌが口を開く
「俺は…何から話したらいいのかな?」
「今日、シヌの従姉に会った」
「そう…何か言ってた?」
「何も。シヌから直接聞いたほうが良いって」
「そっか」

長い沈黙が流れる

「俺ね、この前事務所の社長に呼ばれたんだ」
シヌがぽつりぽつりと話し始めた

大きく深呼吸をして
「昔付き合ってた彼女に、俺の子どもがいるんだってさ…」

あまりにも衝撃が大きくて、ジニョンは言葉すら出てこない

「最近、俺達TVに出たり露出する機会が増えて、それをネタに色々言ってくる奴がいるみたい。
事実を確認したわけじゃないけど、この大事な時期に、噂が出る事がまずいって」

「何とか騒ぎにならないよう交渉はするけど、最悪の事態も想定してくれってさ…」

「でも、シヌさ…
早くお父さんになりたいって…
言ってたじゃん。
もし…本当にシヌの子どもだったら…」
言葉と一緒に涙が溢れ出てくる
「俺といたら…子どもなんて…」
もうジニョンは言葉にならない

"改めて自分たちは、人には言えない恋をしているのだと思い知らされる"

そんなジニョンを見ているのが辛くて、強く抱きしめた

「俺はジニョンが傍にいてくれさえすれば、他に何もいらない」
シヌは決死の想いを伝える
この気持ちがジニョンに届くことを願って

「でも…」
「もう言いたい事は分かったから…
これ以上、自分を傷付けないで…」

その晩、2人は身体を寄せあって眠った
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