★びっぽBOOK
□"恋のおわり"
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「ねぇ、ちょっと待って!君さ…この前、シヌと一緒にいた子だよね?」
ジニョンは走って、彼女を呼び止めた
ちょうど同じくらいの年齢だろうか。年のわりには落ち着いた雰囲気の女性だ。
彼女は振り返って、ジニョンを見るなり驚く。
その表情から、何か良くない予感がした。
「こんにちは…」
視線は下を見つめたまま挨拶をする。
「俺の事知ってるよね?」
「はい、もちろん…」
「最近、シヌの様子がおかしいんだ。君なら何か知ってるんじゃないかと思って」
以前、シヌと彼女が話している所を、たまたま目撃した。
周りの視線を気にしてか、落ち着かない様子の2人に釘付けになる。
シヌよりさきに、俺の視線に気づいた彼女は会釈をして、その場を去った。
あれから、シヌが考え事をしている姿を何度となく見ている。
物凄く気になる気持ちを押さえて、今日まできたんだ。
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彼女は重い口を開いた
「多分、ジニョンさんには心配かけたくないんだと思います」
「それって、どういう事かな?
君とシヌの関係…聞いてもいい?」
ジニョンが鋭い目で見つめる。
「わっ、私はシヌくんの従姉です!
ジニョンさんが思っているような関係じゃないんで安心してください」
慌てて言った
「その言い方からすると、君は俺達の事を知ってるんだね?」
「ええ、シヌくんの大切な人だって…」
「どうして話しちゃうかなぁ」
少し苛立ったジニョンに、彼女は益々萎縮する
「ごめんなさい。でも、今シヌくんの状況で、こんな事を相談できる近親者は私だけだったんだと思います」
'裏方ですが、芸能関係の仕事をしているので'と付け加えた
「話してくれる?」
「それは…私が話すより、シヌくんに直接聞いたほうが良いと思います。
私じゃ、話を聞いてあげる事しかできないから…」
辛そうに彼女は告げた