★びっぽBOOK

□"思わぬごほうび"
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「もぉ、シヌ…やだ」
珍しくシヌが一緒に寝たいと、夜中に忍び込んできた。

狭いベッドに男2人。

シヌがジニョンを後ろから抱きしめるように眠る。

明日の仕事に響くから、何もしないと言ったのに…

背中にシヌの体温を感じながら、苦しいくらい抱きつかれ、胸やお尻を触られたら、こっちも落ち着かない

なのに、後ろからスースーと心地良さそうな寝息が聞こえてきて、段々とジニョンは腹立たしくなってきた

執拗になで回す手をどけようとすると、余計に抱きしめられて、身動きが取れなくなる。

---

全然眠れない…

少し腕が緩んだ隙に、ジニョンは体を反転させ、シヌと向かい合わせになる。

最近、ほんとにカッコ良くなったよなぁ

しみじみとシヌの顔を眺める
普段一緒にいても、こんなに近くで見つめる事はない。

シヌはふとした時に、言葉や仕草で愛情表現してくれる。
俺は嬉しいのになんだか照れくさくて、何も出来ないままだ
そんな自分が歯がゆい

今日、仕事の現場で、シヌに感じた違和感が少し気になっていた
いつもみたいに笑顔は絶やさない
でも、何かが違う

珍しく一緒に寝たいと言ったのも、引っ掛かった
シヌは俺の行動を引きで見ていて、いつも的確なアドバイスをくれる。
俺はどうだろう?

シヌはあまり自分の悩みを話さない。
それを寂しく思う時もある。
だから、シヌが甘えたい時に受け入れられる自分でいたいと思う

ジニョンは少しくせのある髪を優しく撫で、触れるか触れないくらいのキスをした

眠っていたはずのシヌが薄く目を開ける

起きた?!
気恥ずかしさと共に、動悸が激しくなる

「ジニョン…愛してる…よ」
幸せそうに微笑んで、シヌはまた規則正しい寝息を繰り返す

こんなの反則だ
いったい、どんな夢見てるんだよ!

突然の不意打ちに、ジニョンは耳まで真っ赤になっていくのを感じた。
けれど、嬉しさに自然と笑みがこぼれる

シヌを起こさないように、
そっと抱きしめて

"BANAミアネ…
今だけ、この瞬間だけ
シヌのモノでいさせてね"
ジニョンは幸せそうに目を閉じた

---
「おはよう。よく眠れた?」
早々にベッドを出たジニョンが、シヌに声を掛ける
「ん〜」
シヌはまだまだ寝たりない様子。
布団の中で、もぞもぞと動く

「昨日はシヌのせいで、全然眠れなかったんだから、何かあったらフォローしてよね」
今日のジニョンは声のトーンも明るく、朝からご機嫌らしい
「えっ?俺何かした?」
シヌは焦って飛び起きる

そこへサンドゥルが入ってきた
「もぉ〜ヒョン達、またえっちな事してたの?」
「し・て・ま・せ・ん」
少し強めの口調で反撃するジニョンの反応が面白くて、サンドゥルとシヌは思わず吹き出した




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