刀語長編

□第壱話 〜真庭妖組〜
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暗闇の中で動く影が4つ…

「あ〜暇ぴょん」

「うるせぇよ兎角」

「じゃあ‼
蜻蛉は暇じゃないぴょん⁉」

暇だ暇だと愚痴を零す少女が1人
また、気怠そうに答える青年も1人。

「まぁまぁ…」
「鳳凰様もきっと考えがあるのよ」

嗜める様に話す女性が2人。

「でもでも〜‼」

「あ、あのあの…」

ずっとじっとしていた影が話し出した。

「な、なんでぼぼくは呼ばれたんですか?」

「人鳥が可哀想だぴょん‼
金魚があんな事いうから〜!」

金魚と呼ばれた女性が話す。

「ごめんなさいね…人鳥。
そのうち狂犬と鳳凰様も来るから
多分…頭領の皆も…」

「あ"ぁ…めんどくせぇ…
別に俺らが妖怪だろうとよくねぇ⁉」

「よくは無いでしょう…
誰しも訳のわからない者は斬るのよ」

「よ、よ妖怪⁉」

人鳥が身を震わせる。

「大丈夫…怖くないよ?
第一私達はみんなに危害を加えないから」

金魚はぎゅっと人鳥を抱き締める。

「…待たせたな」

「ほ、鳳凰様‼」

人鳥が声をあげる。

「鳳凰様」

「本当に待ったぴょん‼」

「ね〜話ってなに?」

鳳凰が口を開く。

「わかっているのだろう?」

するとチッと舌打ちをする蜻蛉。

金魚は抱きかかえていた人鳥を下ろし、鳳凰にむきなおる。

「前にも言いましたが?
私達はみんなに危害を加えないと」

金魚の発言と同時に空気が重くなる。

「そうではない。
過去の書物を読んでいたら…

偶然見つけてな」

鳳凰が渡したのは4枚の紙切れ。

ざっと目を通した金魚は
重々しくため息をついた。

「これは…初代妖組ではありませんか」
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