K(アニメ)二次本文

□雪の日
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「あ、雪降ってら」
パソコンから顔を上げた日高がぽつりともらした言葉に、執務室に鋭い舌打ちの音が響いた。
「窓の外見てる暇あんなら仕事しろよ。あとミス減らせ。」
「う」
「あ、それからさっき出した書類。10ヶ所はミスあったからな。やり直せ」
「ええっ」
淡々とした宣告に悲鳴を上げて沈む部下を冷たい目で睥睨して、伏見はため息をついた。パソコンのキーを叩く音が一度、止まった。
窓を一瞥してからチッと舌打ちをして再びタイピングに戻る。しかし、その時点で伏見の機嫌はダダ下がりで、誰にでも分かるほどピリピリした空気を放ちだしていた。
その後の伏見は、書類処理が苦手な日高と道明寺の多発するミスによってさらに不機嫌になっていった。当然と言うべきか、日高と道明寺はだめ出しと共に放たれる皮肉と罵倒によって心をめった斬りにされていた。もちろん、それについては完璧に自業自得であるため、後で慰めることはあってもフォローしたり庇うことは誰もしなかったが。
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