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□ラブレター騒動
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「うーーーん」
机に突っ伏して唸る平介
気の所為じゃなければ、午前中より確実に顔色が悪い
『熱、あるんじゃないの?帰れば?』
「いや、でも、留年がどうとかって言われてるし、」
鈴木「あと1日でも休んだらおしまいなのか?」
「いや……そういう訳では……」
『じゃあ、無理せず帰れば?』
「や、いける……」
鈴木「なんでこう言う時だけ頑張るんだよ!どうせなら普段の生活でやってくれよ!!あぁ、もう、めんどくさい奴だねお前も、」
「大丈夫ですって……俺は乗り切れる……乗り切れる……」
佐藤「平介、死んじゃだめだあ」
「縁起でもないことを言うんじゃないよ」
鈴木「俺にうつったらどうする。恨むぞ、末代まで。祟るぞ。」
「だーいじょうぶさー君ら出席日数足りてるもの、結はどうか知らんけども、」
鈴木「あーあーあー気にするなってか?!そう言う奴だよ、お前は!!」
「無神経なことした罰かもな……」
佐藤「変なこと言ってるうう〜」
鈴木「落ち着け」
会話は馬鹿みたいだけど、普段あんなちゃらんぽらんな平介がちゃんと反省してることにびっくりした
人って変われないけど、成長は出来んのね
それの代名詞みたいな目の前の奴を見る
額に手を当てると案の定熱い
イジメとかそんなんじゃないけど、平介の為でもあるし、第一にあたしたちの健康のために命を下させてもらおう
『帰れ、今すぐ、心配なら保健室へGO』
その後ろで、すずちんが容赦ないなと呟き、さとちんがあんぐり口を開けて見ている
『平介、着いてく?』
幼なじみに世話を焼かれるのは昔から嫌がる節があったから、きっとこの提案もバッサリ切られるだろうって思ってた
「たのんでい?」
だからびっくりした
こんなに弱ってんの初めて見た
小さい頃も風邪とかひいたことは勿論あるけど、その時でさえ傍に着いてこられるのを嫌がってその役割全てを先生が担ってた訳で
『いいよ、荷物これだけ?』
「ん。」
『保健室まで歩ける?』
「ん、多分、歩けなかったらどうするつもり?」
『さとちんに担いでもらうつもり』
「死ぬ気で歩く」
『分かったから、死ぬな』
冗談込みで言えば、弱々しく、返ってきた声
本当に大丈夫なのか?
『すずちん、さとちん、平介、保健室まで送ってくるって先生に言っといてーよろしく』
鈴木「おー」
佐藤「おっけー」
2人の返事を聞くと、平介の鞄を持ってフラフラ歩く平介を誘導しながら保健室に向かった
保健室に着くと、先生にバトンタッチ
これまでの状態を事細かに説明すると、おばさんに連絡すべく職員室に行ってくるとのこと
まぁ、それなら帰るまでに野垂れ死にすることもないでしょう
「後は、保護者の方来るまで私が見てるから燈乃さんは授業に戻りなさい。」
『はい』
先生からの言葉で、保健室を後にする
その後ろで微かに【ありがとう】って聞こえた気がした
気の所為かもしれないけど、
これは、あたしの一生のネタにしよう
教室に戻ると、授業はそんな進んでなくて、
具合が悪いのに気づかなくて悪いとか何とかって担任に謝られて、授業が再開された
別にそんなこたどうでもいいんだけどな……
家に帰ったら、あっくんいるのかな
仲直り出来たらいいな
あたしも、家帰ったら様子見に行くか
と心に決め、ひたすら板書をとった
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