紅い悪魔に恋をする
□壊れる
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恐怖を押さえつけ、ゆっくりとドアを開ける
(!!)
最初に目に飛び込んできたのは、ガラスや陶器が散らばっている床
そして
『……ロナウド…ケイト…』
仰向けで、目をひんむいて口から血を流したまま息絶えている親友たちだった
目をそむける前に、血に染まった腹部が視界に入った
大事な人の死を目の前にして、悲しみや恐怖よりも先に感じたのは怒りだった
(誰がこんな…)
ドーン!!!
『!?』
いきなり、ルキの正面にある壁が崩れた
そして煙の中から、何か大きなものがズシンと出てきた
ガチャガチャと重そうなボディを向けると、右腕(らしきもの)を構える
キュイーン…
ドーン!!!
『!!』
ダシュッ
謎の兵器のようなものが撃ってきた瞬間、ルキは素早く飛び上がりミサイルを避けた
『フン。私はナイトレイド家出身よ。ナメないでほしいわ』
(あ、足つったかも)
口では生意気に言ったものの、武道や格闘を習っていたのは半年前までなので、体はかなりなまってしまっていた
今の攻撃は運良く避けれたが、次はどうなるかわからない
「へー、さすがに…一筋縄じゃいかないか」
『!?』
背後から、いきなり声をかけられ心臓が止まりそうになる
振り向くと、1mほどの距離に男がいた
口元だけニヤリと笑っている
『…あなた、さっきの使用人?』
「はい、お嬢様」
警戒しながら尋ねると、男はニッコリとしながら答える
さっきとは明らかに肌の色が違うし、いつの間に着替えたのか燕尾服ではなくスーツを着ている
何よりも人が死んでいるにもかかわらず、騒ぎもせずに笑っているのは異常だ
直感で、男が黒幕だと思った
(…殺してやる)