pioneerの内ポケ♪

□お仕事
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"コスプレ"

翼side


八大……なんて言われても


実際…何をしたらいいのか…



『潜入……?』



美沙緒ちゃんの高校に?



いや…それは…



『ムリ、ですよ…』



謹んで八大さんと匡さんにお断りした




美「なんで!?」



いや…なんでって…



『私、二十歳だもんっ!!』



無理に決まってるよっ…!!



美「そうかなぁ?」



そうかなぁ?って…



匡「翼は童顔だし、まだイケるんじゃないか?」



『いけません…』



ただのコスプレじゃないですかっ!!



ぜぇっったいヤダ!!



匡・八「……。」


『……。』



そんな顔しても嫌ですっ!!



『伯耆くんとかっ!!伯耆くんなら年齢的にも丁度でしょ!?』



なんで私に回ってくるの!?



相「同性の方が、何かと都合いいでしょう。」



匡「男の制服姿見て、何が楽しいんだよ。」



『なっ…』



た、楽しいって…


楽しむ気満々じゃないですかっ!!



『美沙緒ちゃん…学校の写メある?出来れば男子の制服…』



必死に美沙緒ちゃんの携帯電話を覗く




よぅし…



制服をイメージして…



私の弱い力でも



それなりに使える事もある…



『伯耆くんっ!!コレ、着てみて!?』


ばっ


と、男子学生の制服を伯耆くんにつきだす…



伯「あ、えと…」



豊「必死、だな…」


前「翼、少ない力を何に使うとるん…」


相「無駄使い、ですね…」




なんと言われようと、嫌なものは嫌…




『伯耆くんっお願いっ!!』



バッと頭を下げる



匡「まぁ、着てやるくらいはいいんじゃねぇか?」



伯「あ…はい…」




そうして数分後…





伯「失礼します…」



スラッと障子を開けて



お部屋に入ってくる伯耆くん…




に、



美・翼「………っつ!!」



女性陣釘付け。ですよ。



美少年の制服姿に




『お、お帰りって言いたい…』



美「わかる…学校に居たらドキドキしちゃう…」



『わかるっ!!ドキドキしちゃう…』



匡・前「……………。」



その姿にときめいたのはいいけれど…



匡「伯耆、着替えてこい。」



前「せやな。」



匡「伯耆は駄目だ。」



前「せやな。」



美・翼「ぇっ…?」



し、しまったぁぁぁ…!!



匡さん美沙緒ちゃん大好きだから…



でも…




じっ…


『………。』



視線の先は前鬼さん。


前「…………。」



彼は私の視線に気づくと




無言で逸らした。



『………。』


いや、仕事だからってわかってますよ?



わかってる。



その上で!!



先陣切って彼女を餌食にする!?



『………。』



むぅっ…



そりゃ、膨れるよぉ!



同い年なのに…



自分は着ないからってぇぇっ!!



伯「翼さん。」


『え…?』



戻ってきた伯耆くんの声に振り向くと…



伯「どうぞ?」


『え……?』



にっこり…


美少年スマイルで



私に制服を差し出す伯耆くん。



伯「姫さまのですが…」


『え………』


えぇぇっ!?



『ほ、伯耆く……?』



伯「どうぞ?」



そんなぁぁぁっ!!



『……っ?』


チラッと男性陣を伺うと



匡・八「………。」



ウキウキした眼差し…




これは…





逃げられそうにない、な…


えぇいっ!!



ガッと制服を掴んで立ち上がる。



『女は度胸だっ!!』



匡・八・美「おぉっ…」









なんて




『言わなきゃよかった…』


早くも後悔…




緊張しながら障子を開く…



『し、失礼します…』



相変わらず、滑りのいい障子を開けると…



匡・八・美「………。」


『え、えと……』



せめて何か一言くらい…



美「す…」



『す?』



ドキドキ…



美「すっごい似合う!!可愛いっ!!」



『……え?』



手を組んでキラキラした眼差しを向ける美沙緒ちゃん。



匡「つっまんねぇぇ!!」


と、匡さん。


伯「よく、お似合いですよ。」


と、伯耆くんはにっこり…


太「翼さん素敵ですっ!!」


三「翼かわいいー」


次「似合ってます!」



可愛い三つ子くんたち。



なのに…



豊「違和感ねぇな…」



相「それが違和感なのでは?」



前「せやな…翼本当は幾つなん?」



この人たちは…



二十歳に決まってるでしょう!?



豊「いや、翼。素敵だよ。」


誉めてくれる豊前さん。


誉められるには悪い気しないよね…



『わぁい!ありがとう!!』



前「ぷっ…」




と笑いだす前鬼さん…



前「はははははっ!!その返事がもう子供やないかっ」



カッチィーン…



豊「なぁ翼、たまには前鬼じゃなく俺とどうだ?」



前「んなっ!?」



さすがにそれはどうなの?


と思いつつ、社交辞令として受け止める。



『えぇ、考えときます。』


前「なっ…なにをっ!!」



お部屋が騒がしくなるかという時…



相「そもそも、翼さんはカフェがあるので無理でしょう。」




相模さんがポツリと…



相「何故気付かないんです?」




さ・が・み・さ・ん……?



匡「あっ!!ばかっ…!」



前「それは言わん約束やないか!!」



豊「これは…荒れるな…」



………みなさん?



美・三・伯「……。」




思わず…




ジャキン…



匡・八・美「…っ!?」



刀を手に取った…



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