pioneerの内ポケ♪

□香2
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翼side


暖かい日射し


『ふぁ〜…』


前「でっかいあくびやな。」


呆れた眼差しで私を見下ろす赤い髪


『前鬼さん…だってお日様が眠れって太陽を私に…』


こんなに暖かい縁側…


『さぁいこぅだよね…』


のびーっとして



ころんとそのまま縁側に寝っ転がると


前鬼さんが逆さまに見えた。



前「こんだけ暖かければなぁ…」




そう隣に腰を下ろすと


私の隣にごろん、と横になる


前「ホレ。」



前鬼さんが指差す方向には…



三つ子ちゃんが並んですやすや眠っている…



『かっ…』


前「…蚊?」


かわいぃ…!!!!!



『ふふっ…ねぇ、前鬼さん。三つ子くん達かわい…』



横に転がる前鬼さんに振り向く


彼は寝転がりながら腕をついて


ふっ、と笑った…


『…っ!?』


日射しに照らされて


微笑む彼に



ドクン、と脈が跳ねる



前「…ん?どしたん?」


『ぅ…いや。何でもない…』



パッと顔を逸らした


前「……。」


だってこれ以上、目を合わせられなくて…



前「ん?なんや?」



私の反応に首を傾ける前鬼さん。


急に感じ始める彼との近距離…


まだ、ドキドキが止まらない…



前「なんや?こっち向き?」



『や、やだ!!』



前「んなっ!?」



やだ…は言い過ぎたかなぁ?


でも…


だって…



前「ホー…レッ!!」


グキッ…


『…ぅ!!!?いたぁっ!?』


ぐりんっ、と顔を掴まれて強引に首を回された…



『前鬼さん…?く、首がっ…』


グキッて…


グキッってぇ…!!


前「こっち向かんからやろ?」


『……。』


強引だなぁ…



なんて息ついた瞬間。



びくっ!!

『っ!?』


身体が跳ねる



『ぜ、前鬼さんっ!?』



ててて手がっ…


腰にっ!!



ただでさえ近い距離を



『ひゃっ…!』



グンッ…


と私の腰を引く前鬼さんの腕によって


鼻がくっつきそうな程の近さにっ!!



前「寝る…か?」



ニッとつり上がる口角。



寝るって…



寝る…って!!!?


アダルトなシーンが


つい、浮かんで


『あっ、私…』


思わず距離を取ろうとするけど


『ぁっ…』


彼の腕に連れ戻される…


バクバクバク…


加速する心臓。


『ぜぜぜ前鬼さん!?』



前「…逃がさん。」


悪戯っぽく笑う顔にすら


鼓動は加速して…


『で、でも!三つ子くんたちいるし…』


前「せやなぁ。大きい声出したら…起きるんちゃう?」


なんて言葉に


『…っ。』


思わず、口をつぐむ。



前「ええ子やな?」


ふ、と笑って


ちゅ。


『!!』


額に口づけ…


顔を染める私をみて



前「真っ赤…やな。」



余裕の笑みをみせつけ


『んっ!?…ンン…ン。』


唇を塞ぐ。


『ふぁ…ンッ…』


少し長くて


感じる感覚に


ギュッと彼の胸にしがみつく



前「ん。ご馳走さん。」


『〜〜〜っ!!』


最後にちゅ。と音を立てて唇を離す。


ご、ご馳走さん。って!!


真っ赤な私は


そのまま彼の胸の中にすっぽりおさめられた…



お日さまを浴びながら


彼のぬくもりに包まれて



ゆっくり息を吸うと



春の匂いがした…



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