pioneerの内ポケ♪

□香
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伯耆side


伯「太郎、準備どう?」


太「バッチリです!」


その後ろでケーキに手を伸ばす三郎


伯「三郎、つまみ食いはだめだよ?」



今日は翼さんが屋敷に引っ越してくる日


年上の翼さんは、僕にはお姉さんのような存在。


戸惑う事もあるんだろうけれど…


翼さん、少しでも早く馴染めるといいな。


そう思いを込めて、細やかなパーティーを開くことになっているんだよね…



『…なんだか騒がしいね?』


翼さんの声に


太・伯「っ!?」



咄嗟にケーキを背中に隠す。



危ないところだった、な…


伯「今日でしたよね?」


『え?』


太「翼さんのお引っ越しです!」


『え…?』


パッチリした瞳で"?"を浮かべる翼さん。






太・伯「……え?」


知らない…のかな?



しっかり者…という感じではないけれど



それでも翼さんは


優しい方だと、思う。




翼さんはいつもどこか気をつかってくれているような感じで…



よそよそしい感じではないし



翼さんの笑顔は好きだけど…



無理、してないかな。



たまに、気になるんだ。



もう少し…


頼ってくれてもいいんだけど…



僕じゃ頼りないかな?





『伯耆く…ん?』


荷物が入った段ボールを持つ僕をみて動きを止める翼さん。


伯「……?」


どうしたんだろう?



前「伯耆、お前えぇもん持っとるな?」



伯・翼「ええもん?」



段ボールを改めて見つめると…


マジックでしっかり書かれた"下着"の文字



伯「っ!!」


しまった…


っていうか、兄さん…!!




伯「あ、えと…お部屋に置いておきますね?」



なんとか苦笑して凌ぐ…




背後から



『さぁいてぇっ!!』


前「ぐぉっ!?」



お二人の声が聞こえた…



伯「……。」


僕は、少し立ち止まって振り返る。



翼さんと前鬼さんは大分打ち解けられてるのかな?



荷物を置くために翼さんが使っている部屋の障子を開けると



和室の匂いに混じって、微かに翼さんの香りがした気がした…




お姉さん…かな?


本当は…



三「伯耆どのーっ!!閉めちゃだめぇ!!」



伯「!!」


荷物を抱えた三郎の声にハッと我にかえる。



伯「…何考えてるんだか。」


三郎が荷物を置くのを見届けて


そのまま、そっと障子を閉めた…





つづく…?

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