pioneerの内ポケ♪

□頑張れ伯耆くん☆
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伯耆side


翼さんが風邪でバイトを休む間…


匡「伯耆、お前が行け。」

匡さまの指令で僕はカフェにバイトに来ていた。



匡「相模には接客なんて出来ねぇし、無事は女引っ掛けて仕事になんねぇし、三つ子は働ける年齢じゃねぇからな。」


伯「わかりました…」


確かに、色々な不安が残る。





伯「僕、アルバイトって初めてです。」


大丈夫かな?


前「だぁいじょうぶやって!!何かあれば俺に聞けばええよ!!」


伯「ありがとうございます。」


前鬼さんの頼もしい言葉に頷く。


前鬼さんもいるし…


なんとかなるといいんだけれど…





伯「いらっしゃいませ…」

着なれない制服。





なんだか…随分、女性が多いんだな…


女性客の多い店内は、男の僕には少し居心地が悪い。

伯「オーダーお伺い致します」


緊張しながら向かったテーブル


客「あ…こ、ここ、こー」

伯「……?」


前「なんや?コーヒーか?」


後ろから出てきた前鬼さん


コクコクと頷くお客様


前「ブレンドでええん?」

女性のお客様はコクコク頷く


伯「かしこまりました」


業務的に笑顔を返してテーブルを離れると


「ぎゃーっ!!」


お客様の悲鳴に近い声が聞こえた…



伯「前鬼さん、さっきはありがとうございました。」

前「おぅ。」



1ヶ月程、翼さんに付き添ってアルバイトをしている前鬼さん


やっぱり、頼もしい…な?


伯「……前鬼さん?」


前「なんや?」


伯「何しているんですか?」


前鬼さんはコーヒーのカップにドボドボとお水をいれていた…



前「何って…コーヒーやないか。」


呆れた顔で僕を見る。


前「知らんのか?ブレンドは薄いコーヒーやろ?」


うっすいコーヒーの何が上手いんやろなぁ


と水を足していく前鬼さん

伯「いや…あの…」


えっと…


どうしようかな…


伯「それじゃ冷めちゃうんじゃないですか?」


僕がそう言うと


前「おー。せやな。」


そう言ってポットのお湯をジャーっと入れた。


伯「…っ!?」


…ぜ、前鬼さんっ!?


カップひたひたの薄まったコーヒー…




伯「あ、僕やりますよ。僕やっぱりホールは向いてないみたいなので…」


すいません、と頭を下げた


前「なんや、しゃぁないなぁ…」


そう言ってホールへ戻っていく前鬼さん



伯「……。」



僕…大丈夫かな…











前鬼さん…何処に行ってしまったんだろう…




その姿はようやく厨房で見つけた。


前「おぅ伯耆。」


伯「前鬼さん?何しているんですか?」




ホールは大忙しなのに…



前「オーダーのパスタ作っとんねん。」



伯「パスタ…ですか…」


前鬼さんが握ったフライパンに視線を移す



伯「パスタ…ですか?」


思わず聞き返してしまった…


気分悪くしてしまったかな?


前「なんやお前、パスタも作れへんのか?」


伯「あ…えと…前鬼さんは…?」


どうしよう…


僕、笑顔ひきつっていないかな?



前「俺は翼が作っとんの見とるからなぁ」


見て…?


前鬼さんのフライパンの中に入っているのは


お昼の賄いで食べた中華麺…




伯「僕が作りますよ!!今ホールが忙しいので…前鬼さんが居ないと…」



白々しいかな…?




前「おぅ。すまんな。じゃぁ頼むわ」



前鬼さんはそう言って厨房から去っていく



さてと…


伯「パスタ…か。」





ガシャーン!!


伯「っ!?」


な、なんの音だろう。



伯「嫌な予感しかしないな…」



当たらないといいんだけど…




客「なんだコレ!ぬるいじゃないか!」


前「なんや。ブレンドやろ?」


客「この店はこんなコーヒーを客に出すのか!?」


前「なんや、やんのか!?」


伯「ぜ、前鬼さん…」


ホールでは前鬼さんがお客様と言い争っていた…



伯「前鬼さん、どうしたんですか?」


前「どうしたもこうしたも…この客が文句つけよんねん!!」


お客様のテーブルにはカップにひたひたのコーヒー…


伯「前鬼さん…さっきのコーヒーですか…?」


前「おぅ。」


伯「……。」


前鬼さん…


とりあえず…



伯「お客様、失礼いたしました…」


丁寧に頭を下げると新しいコーヒーを代わりにお客様は許して下さるとの事だった



危なかったな…


客「すいません、パスタまだですか?」



伯「あ、はぃ。今お持ちします。」



客「さっきからコーヒー待ってるんですけど…」


伯「すいません、今お持ちします」



どうしよう…



まずはパスタを茹でて、その間に…



パタパタと小走りで厨房へ急ぐ



伯「…っ!?前鬼さんっ!?」


変わらずコーヒーに水を入れる前鬼さん…



伯「あ…僕、やりますから…」


前「そぅか?」



前鬼さんをホールへ送り出す



「すいませんパスタ…」

「コーヒー…」

「注文いいですか?」

「すいません、お会計…」

聞こえくるお客様の声


伯「あ…えっと…」



前「伯耆、コーヒーまだか?」



伯「あ、はい!!」




前「伯耆、パスタ…」


伯「出来ました!」



前「伯耆…」


伯「はいっ!!」






翼さん…



早く元気になってくれないかな…




ーーーーー


がんばれ伯耆くん、書いてみました(>_<)
伯耆くんファンの方、がっかりさせてしまったらごめんなさい(;´д`)

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