pioneerの内ポケ♪

□ウェイター前鬼くん
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"ウェイター?"


翼side

集まるお客様の視線は…

前「なぁ、翼キャラメルカスタードグラッセって…どれやったっけ?」

やたら目立つこの人、前鬼さんへ。


『…前鬼さん。いつになったら覚えるんですか!?』

この質問、本日何度目かわからない…

『やる気あります?』



お願いします。


もぅ、帰って…


天狗って頭いいんじゃないの!?

前「しゃぁないやろ。キャラメルカスタードグラッセ?チーズレモングラッセ?うんちゃらかんちゃら、なんたらかんたら…似たようなもん覚えられへんのや!!」


『……っ。』


顔面がひきつる


もう後半なんのことかわかんないし。



探してたキャラメルカスタードグラッセを取り出して戻ってくるなり


彼はまた


前「なぁ、翼。ブレンドってなに?」

『えっ…』


まぁ…でも…

これは仕方ないのかなぁ?


『いい?前鬼さん。わかりやすーく説明します。』

前「おぅ。」


『……。』

やる気はあるんだろうけど…


『ブレンドコーヒーは薄めたもの、アメリカンはそれより濃いもの。』


前「ほぅ。」


簡単に、わかりやすく、ざっくり説明した結果…



ドボドボ…

『っ!?っきゃー!?』


ブレンドコーヒーを用意しているはずの前鬼さんを見つけて驚愕。


『ぜぜぜ前鬼さん!?何してるんですかっ!?』


前「何って…コーヒーやろ?」


前鬼さんは



コーヒーに過剰にお冷や用の水を入れて



それはもう


ホットコーヒーでもアイスコーヒーでも



勿論、ブレンドコーヒーでもない




ただの、薄くなりすぎている、ぬっるいコーヒー…




前「なんや、ちゃうんか?」


『……。』


ちゃうんかって…


『違うに決まってるでしょーっ!?』


前「屋敷おれば、誰かがやってくれるからなぁ…」



太郎くん…


伯耆くん…



ダメだよ甘やかしちゃ…



『お願いします。本当に、もぅ帰って下さい…』


前「なんでやっ!?」



『もぅいいです。私がやりますから…』


肩を落としてコーヒーを淹れなおす。



前「なんやこら…」



ホールから聞こえた声

『……?』


ホールへ戻ると


「にいちゃん、なんだその態度。」

前「あんたがしつこすぎるんや。」



……っきゃー!!

お客様とケンカっ!?


『すいません!申し訳ございませんっ!!』

前「なんでや翼!謝ることないで!!」

『…っ!?』

「なんだこの店!!」


お客様は大層お怒りになって退店してしまった。



『………』

前「なんやあの客…」

『………前鬼さん。ちょっと。』





強引に引っ張って連れ出した控え室。



前「なんや翼。あんな客、気にすること…」

『前鬼さんっ!!』


前「っ!?」


『ここに正座。』

前「…なん」

『…前鬼さん?』

前「…ハイ。」


『お客様は神様です。ハイ。』


前「なんでそん…」


『……。』

前「オキャクサマハカミサマデス…」


『固ぁいっ!!』

前「っ!?」

『もう一度!』

前「お、お客様はぁ…」






頑張れ!
ウェイター前鬼くん…

負けるな!
ウェイター前鬼くん。



リクエスト、お待ちしてまぁす(o^o^o☆
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