ぽかぽかフェチズム

□ぽかフェチ18
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前鬼side



実「二人ともおはよー!」

匡「今日もあちーな。」


『おはよ。』

前「おはよーさん。」



今日も教室はいつもと変わらん空気


チャイムが鳴るまでをワイワイ過ごしとる。



和「留年免れたんだって?」

匡「じゃあ今日から部活だな。」


前「留年言うなや!テストで身体動かしとらんから鈍ってそやなぁ……」



部活が始まれば、それこそ日常が戻ってくる



コソッ
実「一緒に来たんだね?」

前「え?あ、あ〜……」



小さく耳打ちした姫さん。



前「せや、ね……」

実「……?」



名無しさんちゃん家から……一緒に……


……とは、口が裂けても言えへんな。



『ごーおーくーん。いちご牛乳……』

前「え?あ、あぁ……買いにいこか。」

『うん。』



朝起きると


腕の中で名無しさんちゃんがねむっとった。


なんでかなんて承知しとるし、ハッキリ覚えてんけど



『あーつーいー……』


ペタペタ


前「そうやね。」



長い廊下、隣を歩く女の子は


起きて眼ぇ合った瞬間


"おはよう"て、優しく笑うて


俺も挨拶を返して


……ただ、そんだけ。



前「ホンマにいちご牛乳好きやね。」

『うん。』



何が変わったわけでもないし


変わる様子もなく


名無しさんちゃんは……昨日のキス、どう捉えたんやろ……?



前「あんましいちご牛乳ばっか飲んでると、いちごになってまうで?なぁんて……」

ピタッ
『………………。』

前「うん、全面的に謝るさかい。その眼ぇやめたって。」



ホンマに……


いつも通りやな。



『私がいちごなら、ごぉくんはミルク?』

ピタッ
前「へ………」



名無しさんちゃん……それって



ドキドキ
前「……っ、」

『……?』



下ネターっっ!?


アカンよ女の子がこないな場でんな事言うたらっ……!!(全面的に勘違い。)



『いちご牛乳が飲みたいの〜いちごだけも好きなんだけどぉ〜優しいミルクも素敵なの〜』

前「…………。」

『白黒つけないカフェオレ〜』



某CMの替え歌を歌いながら、名無しさんちゃんは自販機まで歩く



前「語呂、合うてへんよ。最後カフェオレ言うとるし。」

『細かい事ゆうな。男の子でしょ!』

前「あ、はい……」



男前なセリフを吐く名無しさんちゃんが求めとんのは、いちご牛乳……


そのギャップは必要なん?


っちゅうか



前「…………。」



名無しさんちゃんにとって


昨日のアレは……気にする事でもない……んやろか


細かい……事って内容じゃないやろ。



前「…………。」

ペタペタ

『ふんふふ〜ん……』



まぁ……俺も……なんであそこまでしてもうたんやろ……


むしろよぅアソコで止められたと思わん?


思春期男子としてなんやもう色々と涙がでるわぁ……



キーンコーン……


『あ……』

前「お。余鈴なってもたな。」


『急ご。』

前「はいは……」



……ぎゅ。



前「……え」



名無しさんちゃんの細い指が、俺の左手を掴んだ。


それに一瞬、心臓がしめつけられてもて



『走る!』

クスッ
前「……ん。」



振り返った名無しさんちゃんはどうみても、なんて事ないっちゅう顔しとんのに


キスまでしといて……手ぇ繋いだだけやのに……俺の心臓の心拍は単純やなぁ。


すぐにテンション上がってまう。



『早く早くっ!』

前「はいはいっ」



君は……


どんくらい、俺を好きになってくれとる?




ーーーーー
伯耆side



昼休みにやってきた珍客。



斎「えっなっ、ど、どうしたんすかっ!!」

伯「斎藤……煩い。」



教室の後ろ扉から、僕に向かって手招きする先輩



伯「名無しさんさん……どうしたんですか?」

『伯耆くん……』



彼女が二年の教室に来るのは初めてだ。


勿論、彼女に呼び出されるのも初めてで……



『伯耆くんはお年頃?』

伯「…………。」



こんな質問も、初めて。



伯「え……っと?」

『どう?』

伯「どう?って……」



名無しさんさん……質問の意図が見えません。



斎「お年頃って、なんすかっ!どんな……」

伯「斎藤、ハウス。」

ガンッ
斎「ハウス!?」



お前でてくると、ややこしくなるんだよ。



伯「お昼……食べました?」

『ん?まだ……』



教室じゃ、斎藤が煩いだろうし



ニッコリ
伯「じゃあお昼食べながら、でもいいですか?」

『うん。』



名無しさんさんがわざわざ訪ねにくるなんて


……前鬼さんと何かあったのかな?




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