学園祭-前半-(20)
□佐助×幸村
4ページ/5ページ
「今日は…旦那が頑張ったご褒美に、なんでもしてあげる」
「んっ…う……なん、でも…?」
「そう。なんでも」
旦那がして欲しいこと、言ってごらん?まだ温もりの伝わりきらぬシーツに身体を沈めながら、焦らすように幸村の頬をなぞる。
こたつ以外の暖房器具が無いこの部屋では、それ以外の暖はお互いの温かさのみだった。一糸纏わぬ姿でベッドに潜り、冷えた足を絡ませる。冷たいはずなのに、幸村とくっついているととても温かく感じる。それはきっと、幸村にとっても同じなんだろう。まだまだ未発達の身体をすり寄せて、何かを強請るような視線を送ってくる。
「言わなきゃだめでござる…?」
「そうね。ご褒美にならないし」
「………うぅ」
本当はどうして欲しいか分かっている癖に、あえて幸村の口から聞いてみたい。
あれだけ積極的に迫っておいて、今更だよね?言えずもぐもぐと口を動かしている幸村は、恥ずかしさで死んでしまいそうだった。けれども身体の中心は熱くなるばかりで、じわじわと理性を突き崩してくる。
「……………て」
「ん?聞こえないよ」
「佐助の、手で、…して」
言うなり枕に顔を埋めてしまう。それでも横目で佐助を見て、早くしてと急かしているようだった。元からそのおねだりを聞くつもりだった佐助は、横抱きにした幸村を背後から抱き締めながら、そっと耳に吐息を吹きかける。
「手?手でいいのね」
「ん……」
腰のあたりを撫でていた掌を前に滑らせると、もうそこは熱すぎるくらいに勃ち上がっていた。中心をやんわりと握り、軽く扱けば少しずつ布団の中から水音が聞こえてくる。久しぶりの刺激にそこが弾けそうになるのはすぐのことだった。
「んく…ぅっ…さすけぇぇ」
「今日は我慢なんてしなくていいよ…いっぱいイッちゃいな」
先端から溢れてくる蜜を塗り込め、滑りがよくなったそれをやや乱暴に苛めてみる。ふぁ…と鼻に掛かった甘い声が漏れたかと思うと、抱き締める身体の震えがひどくなった。佐助の手が動くのに合わせてびくびくと波打つ。ちょうど佐助の中心に押し付けられている尻が、悩ましげに揺れていた。
(うわ…旦那感じすぎ)
後から後から止め処なく流れる先走りが、佐助の手をもぐっしょりと濡らした。追い上げるように扱く手を速めると、どくんと脈打ったそれから熱い奔流が迸った。
「…ンあああぁ……ッ!!!」
ぴちゃ、ぽたぽた。
誰の目に触れることもなく放たれたそれは、きっとシーツにいやらしい模様を描いていることだろう。
「あ…佐助っ…もっ、と……!」
「もっと?参ったねぇ……ご褒美一個じゃ足りなかった?」
「うん…ッ…して、して…ぇ」
こうなったらもう、とことんお相手してあげますか。
元からそうする予定だった癖に、食えない笑みを浮かべた佐助は誘われるまま、熱い泥濘へとその身を沈めていった。
end...