学園祭-前半-(20)

□元親×幸村
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(今日もまた…可愛いツラしやがって)

この後輩の顔が可愛いのは今に始まった事じゃない。もちろん、彼の入学式で劇的な対面を果たしてからこれっぽっちも変わってなんかいないのだ。

「今日は、政宗殿とご一緒ではないのでござるか?」

「別にアイツはダチでも何でもねぇって言っただろう」

学年は同じだがクラスは違う、しかし狙う獲物を共有し続ける政宗とはもちろん仲が良い訳ではない。

同属嫌悪、というやつだろう。誰が好き好んで同じ男の尻を追いかける奴とつるむか。

「じゃあなんで」

「俺がここに居ちゃいけねぇのか。卒業研究だ。あと2年もすりゃお前もやるようになる」

「それで斯様な場所に。明日は槍でも降るのでござろうかと思いました」

「あのなぁ…俺だって卒業はしてぇんだよ」

一応、と付け足しておく。もし2年ダブッたら幸村と同じ学年になれるとか、そんな馬鹿な事を考えている等知ってほしくない。情けない部分など見せられる訳がなかった。

いつからこんなに弱気になっちまった?好きすぎて、避けられるのを恐れるようになって、前みたいに幸村の教室に押しかけるのもやめて…

伊達はまだ足繁く通い続けているようだ。この間も廊下で擦れ違った時に頬に青痣を作っていたから分かる。避けられるのをあえて食らう、アイツの気が知れない。

「では、幸村もここで」

「は?」

「駄目なのでござるか?」

課題が出されてるのでござるよ、と重たそうなサブバックからノートやら筆記用具を引っ張り出して元親の対面に座る。

 
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