学園祭-前半-(20)
□小十郎×幸村
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清潔なシーツを淫猥な液で汚し、皆が真剣に授業を受けているであろう時間にこんな事に耽っているなんて…羞恥でどうにかなってしまいそうだった。
指の動きが本格的に幸村を追い上げる動きに変わり、もう耐え切れないと引き結んでいた唇が綻ぶ。はふ、はふとできるだけ息を切ってともすれば上がる高い声を我慢した。
「イくか?」
「ッねがい、します…!もう許してくだされぇ…っ」
ただでさえぼうっとしていた視界が白く塗り潰されていく。
二度目の精を放つと同時、終業の鐘が鳴り響いた。
「もう動けねぇだろう…
いいか、今日は1日寝ておけ」
「は、はひ…」
心も身体もくたくたになってしまった幸村は、文字通りベッドに沈み忙しなく呼吸を繰り返していた。
何故か達成感溢れる顔をした小十郎は、そのベッドに腰掛けて幸村の後ろ髪を弄ぶ。
これが学校でなかったら、一戦するところであったが…今日は本当に幸村の体調が思わしくないのでこれまでとする。治ってから、再度押し倒せばいいだけの事。すかした顔して考えることは褒められたものではない。
「昼飯は後で買って……ん?」
ガラガラッ
「おーい幸村ァ!
具合大丈、夫…か……!?」
「うっは!旦那超やらしー格好」
「ま、政宗殿!佐助ッ!!」
幸村の具合を心配して、終業と共に飛び出してきた2人。
タイミングが良いか悪いか、ベッドにうつ伏せに沈む幸村(しかも下半身は心許ない)を発見し、ひゅう!と揃って口笛を吹いて見せた。
「おっと、これ以上はサービスできねぇな」
「えー?もう終わりー?」
「なんだつまんねーな。もっと見せろよ」
彼らはずかずかとベッドに近付くと、小十郎の白衣によって隠されてしまった肢体を繁々と眺めた。一応、この保健医と幸村が恋人同士だと知ってはいるが、隙あらば俺もと企む2人にとってはこれ以上無い絶景であった。
「も…もうお婿に行けないでござるぅぅぅっ!!」
「安心しろ幸村。
お前は俺の嫁確定だ」
ぽん、と背中を叩かれてもまるでフォローになっていない。
空気すら読めない3人をどうかしてくれ、その祈りは届かずに長閑な休み時間が過ぎてゆくのであった。
end...