学園祭-前半-(20)

□小十郎×幸村
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「ほら見ろ…そんな状態で授業なんて出られるか」

「誰のせいだと…!」

「だから逃げらんねぇように、こうして」

「わ、わぁぁっ!!」

力の入らぬ足を持ち上げられ、足首からすぽん!と制服の下を脱がされる。それも下着ごと。露になった太腿を撫でながら、ボソッと耳元で囁いた。

「腰砕けにしてやってんじゃねぇか、なぁ?」

(この、むっつり破廉恥先生!)

黙っていればいい男なのに、どうしてか口を開くとその看板も下ろされてしまう。

惚れた弱みと言われればそれまでになってしまうけれど、女教師からは圧倒的な支持を誇る(ここが男子校であるが故の)小十郎が、これだけの事をしても許してしまうのは、もちろん幸村も彼のことが好きだから。

しかし…

「ちょっと待ってくだされっ」

「まだ動ける余裕があるんだろう。生徒の身を案じる先生としては、放っておけねぇんだが?」

落ち着いた声音なのに、獣じみた勢いで襲ってくるのは。

一昨夜も彼の部屋で濃厚な一夜を過ごしたばかりだというのに、この性欲の強さはなんなのだろう。

年頃の幸村以上に、むしろその年頃以下の幸村にとっては餓えた狼を相手にするも同然。本気でイヤだと言えないのを知っていてか、ねちっこく苛められるときもままある。

「さて…熱があるんだったな?」

「!そ、そうでござる!熱があるのに、これ以上無体を働く気でござるか」

「まずは体温測定だ」

「ふぎゃ!!」

問答無用でうつ伏せに返され、幸村の顔面は枕に叩きつけられた。僅かに薬品の匂いがする白いシーツの上、剥き出しになっている下半身に小十郎の手が這う。

ぞくぞくと背筋を駆け抜ける何か、それが嫌悪ではないものだと幸村は分かっている。この保健医は治療と称しては破廉恥な行為におよび、それに付き合わされるほうの幸村もすっかりと淫らな身体にされてしまった。大きな掌に肌を撫でられるだけでこの様だ。

 
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